Kirk Hammett

 
 




 

80年代から一貫して非常に強い影響力をもつヘビーメタル・バンド「Metallica」は、彼らの最新アルバム「Death Magnetic」で自らのルーツに立ち返りました。 NI はリードギタリストのKirk Hammett とインタビューをおこない、ニューアルバムのレコーディングの様子、そして作曲やレコーディング準備においてリフを創造する際に、Guitar Rigはどういった役割を果すのかを尋ねてみました。


 

インタビュー



ニューアルバムの曲名や歌詞を見ると、死をテーマにしたものが多いと気がつきます。これは計画的なものなのですか? つまり、あなた達の本心にあるものをある種のメッセージとしてさらけ出そうと努力した結果なのでしょうか?

そうだね、テーマを発展させていくには、まず歌詞からスタートするんだ。ジェームスがコーラスや歌詞を僕たちに少し聞かせてくれてから、彼がそうしたパートを歌って、僕たちがサウンドを作っていくんだ。こういうことをしているうちに、歌詞の多くが死や自殺についてのものだということに気がついた。そして僕たちは、僕らの世代でいうならカート・コバーンのような、僕たち自身が共有したロックの殉教者なるものについて話し合ったそうして発展していったんだ。 曲の多くは、自殺、救い、許しについてのものだ。 そこから始まって、一般的なテーマに発展していったってことだね。「Death Magnetic”」はそうしたテーマを1つにまとめているんだ。

これは、あなた達が過去の数アルバムで実験してきたサウンドの死、または「ルーツへの帰還」のメタファーですか?

確かにそう言うこともできる。ああ、そういうことかもしれないな……。ジェームスの歌詞の美しさというのは、それが様々なことのメタファーや分析であったりすることで、だからこそジェームスは素晴らしい作詞家なんだと僕は思っている。彼の詞は、くっきりしてドライなものではないし、文字通り受け止められる性質のものではないんだ。 色々な解釈が可能なんだ。 僕にとって、彼の歌詞は底の深い意味を持っている。

 

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あなた達が新しいプロデューサーと制作したのは初めてですよね。 これまではBob Rock と長い間やってきましたが、このアルバムにはRick Rubinを選びました。こうした変化の理由は何ですか? サウンドにはどういった影響をもたらしましたか?

僕たちは、それそろ変わらなくちゃいけないと感じていたから、その時点でRick Rubinのことをかなり真剣に考えていた。 面白いことに、音楽仲間や友人とそのことについて話すと、いつもRick Rubinって名前が出てきたよ。 だから、彼と組んでこのアルバムを作るってことがもう決定されていたようなものだった。

彼のアプローチでは、コントロール・ルームに座って、どの音楽理論が曲のどの部分に使えるかを決定するというよりはむしろ、観客と一緒にバンドの音を聞いているという彼のパースペクティブが生かされているんだ思う。僕はそれが気に入った。つまり、彼のアプローチは全然ミュージシャン的ではないんだ。 ファン、または音楽の価値を理解する人間の視点から音楽を聴いている。 これは僕たちにとって非常に助かった。彼が、僕たちの必要とするバイブレーションや方向に配慮する一方で、僕たちは音楽の技術的な面に集中できるからね。

前作ではあなたは一歩後ろに下がっていましたが、「Death Magnetic」では、ヘビーなギターリフやソロに見られるように、とても躍動的です。 これはRickが薦めたのですか?

あれは 前作からの方向転換のもとで、起こるべくして起こったものなんだ。僕たちのオーディエンスはギターソロを再び強く望んでいると分かっていたし、メタリカのサウンドにとってギターソロがどれだけ大切かもよく分かった。だから、絶対にもう一度戻さなくてはいけなかったんだ。異論の余地はなかったね。

「End of Line」ではジェームスと一緒に素晴らしい二重奏を披露していますね。2人でバトルをしてるような感じですね。 こういうのは好きですか? スポットライトに当たるのは好きですか?

ジェームスとハーモニーを作るのは大好きだよ。全ては、色々なギターラインでとんでもない数のハーモニーを作り出したバンド、例えばThin Lizzyに対する僕たちの愛と関係があるんだよ。愛があるからそうしたってことさ。そして、ハーモニーが必要な曲もあると感じることがあった。リフに関して言えば、メタリカのためにいつも数限りなく音を作っているし、このアルバムでは僕のリフが全曲に散らばっている。そう、リフの多くはPro Tools や Guitar Rig を使って作ったと言っておかなくちゃいけないね。

 

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みんなで集まる以前に、自分でも制作準備作業をしましたか?

ああ、うちの地下室に座ってラップトップの前でたくさん自分のリフを作って、CDに放り込んでいたよ。絶対にみんなで集まって、数年間かけて書いたり保存したりした音を吟味するだろうって分かってたからね。

Guitar Rigからインスピレーションを得ましたか?

もちろんだよ。 Guitar Rigのいいことろは、アイデアがあってそれを試したいと思ったら、それを色んな違ったセッティングやトーンで試すことができる。そして、自分が求めている音楽のタイプにどんなサウンドがマッチするかを実感できるんだ。もし特別な雰囲気を探している場合、全てのトーンを試して、一番うまくいくものを見つけることができる。ダイアルをまわしてアンプのセッティングを何千回もやり直さなくちゃいけないなんてこともない。

 

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まずは「素」で録音して、その後トーンをリアンプし、エフェクトをつけて実験するのですか?

ああ、その通り。今言ったのは、単に未加工のリフのためなんだ。つまり、ループに加えたり、それを出し入れしたり、好きなように調整したりといった、エフェクト・パッチでできるすごく面白いことにまではまだ進まない。けど、これで本当に早く作業が進む。以前は、ペダルを一通り使ってコントロールするだけで何時間もかかったし、バッテリーが弱くなってそれが音にも影響するから交換しなくちゃいけなかった。それとか、15分ぐらい試してみてから実はペダルが壊れていたとわかったなんてこともあった。 Guitar Rigを使うと時間を節約できるよ。何時間も調整を続けていられるってのも気に入ってる。アンプ、エフェクト、マイクポジション、音の抜け、どれをとっても最高だ。

はまってしまったようですね!

面白いことに、ライブもリハーサルもレコーディングも全部生でやる時期があって、何もする気がしない時期があって、はたまた僕が地下室で「このパートを何とかして完成させなくちゃ」って考えてる時期もあるんだ。パートをPro Toolsに拾い上げてから、Guitar Rig を使う。そして、ほんの短い間それで集中的に作業して、スタジオでのレコーディングやリハーサルに戻るんだ。そして、「こんなアイデアがあったから、Guitar Rigで進めてみたよ」って彼らに言うんだ。 ロード中にサウンドを作る時に使うこともあるんだけど、こういう時こそGuitar Rigが活躍してくれる。

 

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あなたは望んでいるサウンドをかなえるために、Guitar Rigを使ってたくさん制作準備をすると以前語っていました。こうした作業が最終的なマスターとなることはありましたか? それとも、結局はスタジオのアナログ機材を使うことになるのが常ですか?

僕たちの基本的なルールは、もしなんらかの変更を付け加えたい場合に備えて、全てアナログで再レコーディングしようってことなんだ。「 デモより良いものを作るんだ。入って来たデモ全部に勝るものを!」っていうのが、僕たちのエンジニアGregのセオリーなんだよ。 だから僕はできる限り最高のパフォーマンスを尽くして、それをスタジオに持ち込む。そしてみんなでさらにいいものを作る努力をする。 99%の確率でスタジオでのパフォーマンスの方がよくなる。とにかく、あそこのグルーブ、サウンド、密度はすごいからね。けど僕にとってGuitar Rigは、最良のものを生み出すための完璧なジャンプ台だよ。

Guitar Rigの中で特に気に入っているアンプとエフェクトは何ですか?

ディレイが大好きだね。チューブ・スクリーマーもいい。
自分で想像していたものが、その通りにいかなかったこともしょっちゅうある。例えば、痛烈なファズの60年代や70年代のトーンだとかね。試してみるけど、考えていたようにはサウンドに効果を与えないと分かる。で、ある方向に向かってどんどん進んでゆく。ディストーションとモジュレーション・エフェクトの幅が広いのも気に入っている。 すごいサウンドのフランジャー「Electric Lady Flanger」、そしてピッチペダルもいいね。 トーキング・ワウ(talk wah)も好きだよ。 好きなものをあげていけばきりがないね。

 

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今後実現して欲しい機能はありますか?

僕はMutron wahが大好きなんだ。ああいうのが装備されていると最高だろうね。 KLON CENTAURも大好きだ。本当にすごいクリーンサウンドのディストーション・ペダルだよ。クレイジーだね。 Randomizerも面白いペダルで、他のどれよりも音のカオスっぽいんだ。ランダムスイッチがあるから、予想できないサウンドがほしい時は、これを使ってランダム生成して、サウンドをモジュレートする。すると、色んな奇妙なものが出来上がる。これもGuitar Rigにあればいいな。とてもおもしろいし、フリーキーで突拍子もつかないからね。

ライブでGuitar Rigとラップトップを使ったことはありますか?

そうするためには、僕のライブのセットアップを一から考え直さなくちゃいけない.。そうなると大仕事だ。 僕は「真空管野郎」なんだ。でかい真空管とスピーカーのついたアンプが好きなんだよ。 そして、本物のアンプにプラグをつなげるってこと自体が好きなんだ。

 

このアルバムで面白かったのは、今までの曲の形式を破ったことだと思います。ジャムやソロがたくさん入っていて、流れているような感じがします。 典型的な「歌/コーラス/歌/コーラス」という構造だけではなく、10分のインスト曲もあるので、とても新鮮に聞こえます。そのあたりについてもっと聞かせてください。

曲の主旋律だけ思いついて、そこからメインリフが発展する。そして、それをもとにしてジャムをすると、アイデアが自然と出てくる。 10回のうち9回は、曲のコンセプトにマッチするアイデアをたくさん出すことができる。 いいアイデアはどれも捨てたくはないし、ここにある曲のために全てのグッドアイデアを使えるようにしたかった。

ラジオや形式のことはあまり気にせずに、自分自身のためにやりたかったということですね。


ああ、それについてはあまり気にしなかったな。少なくとも現在はね。曲にとってこれが一番だと思うように演奏し、形作り、特徴を与えてやるんだ。もし、5つのパートじゃなくて、15のパートでやるとしたら、そうするってことさ。

 
 

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他に興味深かったことと言えば、ゲームの「ギターヒーロー」にあなた達のアルバムの使用を許可していますよね。 これは、ギター・ロック音楽全般の復活であるようにも見えますが、 これについてはどう考えていたのですか?

ギターヒーローのいいところは、クラシック・ロックやヘビーメタルなどの素晴らしい音楽を若い世代に紹介しているところだと思う。せいぜい親のコレクションぐらいでしかこういう音楽を聴かない世代にね。 子供達がもう一つ次のステップに進み、本当にギターを買うのをインスパイアすると思う。ギターヒーロー現象が起こってから、ギターの売り上げはかなり伸びたらしい。本物のミュージシャンになるためのドアがあるのはとても素晴らしいことだと思うよ。

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