私たちは、RadioheadのキーボードテクニシャンAlan “Russ” Russelに会いました。その時、ちょうどコンサートの最終準備を行っていた彼は、バンドのセットアップの内側も見せてくれました。Russのワークプレースは、デイジーチェーンされたオーディオ・インターフェースの棚の上にあるApple Macbook Proです。このコンピューターが、バンドのメンバーであるJonnyとColinのGreenwood兄弟がステージ上で操る2台のキーボードからのMIDI を受け取ります。彼らが自分のパートを、各自のコントローラキーボードとMIDI フロアボードで演奏します。
Russ は、Kontakt 3 をコンサートにおける全てのサンプルベース・サウンド用のメインインストゥルメントとして、自分のコンピューター上で使用します。2台のキーボードはKontakt に繋がれ、それぞれの曲にはそれぞれのモノリシック・マルチがあります。「Kontakt は本当に使いやすいよ」とRuss は言います。「これで、ハードウェアサンプラーにつきもののフラストレーションもなくなった。エディットとインポートが簡単で迅速になったから、何かを変更したり新しいアイデアを試したりするのにも、遅れやいらいらがなくて、バンドにとって楽になった。」
Radiohead on Stage with KONTAKT

Radiohead live in Berlin
27回のコンサートを終えてベルリンにやってきた頃、2008年のツアーもほぼ3分の2が終わろうとしていました。前回ベルリンでコンサートを行ったのは、2001年9月11日の晩。バンドとこの街の間には、特別なつながりが生まれました。コンサートは発売後すぐにソールドアウト。会場を埋めた2万人の観客のほとんどは、バンドのアピールにしたがって公共交通機関を利用してやってきたので、周囲の環境にも優しかったといえます。
Russ は2008年のワールドツアーの準備中に、RadioheadのセットアップをKontakt に替えました。「バンドのメンバーは、これまでのツアーで使っていた古いハードウェアの一部を変え、サウンドを一つのセントラル・システムに統合することを望んでいたんだ。
『In Rainbow』のトラックのライブバージョンには、Kontakt を使った。スタジオ制作での素材を使って、Kontakt ライブラリからのサウンドもいくつか入れてみた。Crumar Orchestrator は本当に役に立ったよ。その後、Radioheadの曲を全部調べてみて、古いサンプルを全てKontakt のために統合した。ハードウェア・インストゥルメントも幾つかサンプリングして、マルチサンプルを作った。これで、キーボードサウンドのオーガナイズがずっと簡単になったよ。」
コンサートでは、Radioheadは全ての曲をライブ演奏します。バッキングトラックやシーケンサーは、「15 Step」などのエレクトロニックな趣のあるチューンでのみ使われます。そこでは、ColinとJonnyが同期化されたパーカッシブなループを、リアルタイムで始動させます。
ギター・キーボード奏者のJonny Greenwoodは、自分のコントローラを通してRuss のコンピュータ上でサウンドを出すのに加えて、アナログデバイスのミックスと、ステージ上左の彼のテックステーションにあるMax/MSP中の実験パッチで作動しているラップトップも使います。コンサートの間は、シンセとアウトボードのデバイスを手と足でコントロールします。
ベースプレイヤーのColin Greenwoodは、彼のキーボード・パート用には、コントローラー・キーボードとフットボードからなる、どちらかというと通常のセットアップを使用しています。Pro-53やその他のソフトウェア・シンセなどのサウンド選択を曲の最中、または曲間に変更する際は、全てRuss がダイレクトに操作します。
コンサートの中心的な部分でもあるので、Russ の装備は全くエラーの無い状態が求められます。したがって、彼は同じようなセットアップの装備を、もう一つ用意しています。エラーが起こった際に、彼のバックアップシステムに切り替える、大きな「パニック・スイッチ」があります。「ツアー中にこのスイッチを本当に使わなくてはならなかったことが何回かあった」とRuss 。「けど、ソフトウェアだとこうしたことも問題にならなかった。Kontakt の安定性は実証済みだしね。僕のシステムがクラッシュしたことも何回かあったけど、あれはいつもハードウェアの問題だったからね。」




