|Angus Finlayson

Phrases & Chords Toolsで瞬時にサウンドのインスピレーションを

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Instant sonic inspiration with Phrases & Chords Tools

音楽制作をする人なら誰しも、あの感覚を経験したことがあるでしょう。新しいトラックを作ろうとひらめき、DAWを開いて作業を始めようとした途端、目の前に広がる威圧的な空白の画面。シャワーを浴びている時に思い浮かんだアイデアはすべて消え去り、手も足も出なくなってしまう――。この「白紙症候群(エンプティ・ページ・シンドローム)」は、エレクトロニック・ミュージック制作においてよくある障害です。では、どのようにしてこれを克服すればよいのでしょうか?

この問題を解決するためにKontakt 8に追加されたエキサイティングな新機能が、Toolsです。Toolsは、新しいアイデアをひらめかせ、ライターズ・ブロックを打破し、クリエイティブなゾーンへより素早く導くことで、制作プロセスに楽しさと流動性を取り戻します。また、メロディやコードなどを変化させる革新的な方法を提供し、使い慣れた素材を驚きに満ちた新しいアイデアへと生まれ変わらせるのにも役立ちます。

この記事では、Native Instrumentsからリリースされた最初の2つのKontakt 8 ToolsであるChordsとPhrasesを使い、白紙症候群を克服して刺激的なスケッチを作成する方法をご紹介します。

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Kontakt 8を使って、このチュートリアルを一緒に進めましょう。

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Kontakt 8 Toolsとは?

Toolsは、新旧問わずあらゆるKontaktインストゥルメントで使用できる高度なMIDIエフェクトです。これにより、Kontaktにまったく新しいクリエイティブなレイヤーが加わります。厳選された高品質なMIDIコンテンツ、スマートなランダム化機能、あるいは素材をトランスフォームする革新的な新手法など、Toolsは制作プロセスを活性化させる力になります。

最初にリリースされた2つのKontakt 8 Toolsが、ChordsとPhrasesです。Chordsはコード進行を素早く作成してカスタマイズでき、Phrasesはインスピレーションあふれるメロディ作成ツールです。どちらも素早く直感的に楽しく使えるよう設計されていますが、あらゆるレベルのプロデューサーを満足させる奥深いカスタマイズ機能も備えています。

コード進行でクリエイティビティを発揮するには?

コード進行をクリエイティブにする手軽な方法の1つが、Kontakt 8のChords Toolを試してみることです。興味深いコード進行を作ることは、音楽制作において最も難易度の高いタスクの1つであり、特に長年の音楽理論の知識がない場合はなおさらです。しかし、Chordsを使えばそのプロセスが驚くほど簡単になります。

100種類以上の洗練されたプリセット進行が用意されており、すぐに作業を始めることができます。そこから高度なカスタマイズ機能を使用し、コード進行をスマートかつ予想外の方法で変化させてクリエイティビティを発揮できます。Chords Toolがあれば、優れたコード進行を見つけるためにMIDIキーボードの前で何時間も苦心する必要はありません。すべて指先1つで思いのままです。

Chordsを使って効果的なコード進行を作成

ここでは、Kontakt 8の新しいChords Toolを使って魅力的なコード進行を作成する方法をご紹介します。これらのコードを新しいスケッチの土台として使用し、その後でメロディを追加していきます。

まずは、Chordsメニューからプリセットを選択しましょう。100種類以上のプリセットが用意されており、それぞれに含まれる7つのコードを好きな順番で演奏できます。

Chords Toolのプリセットメニュー
Chords Toolのプリセットメニュー

選択肢が多くて迷ってしまう場合は、プリセット名の横にあるサイコロをクリックしてみましょう。ランダムに選ばれたプリセットから、思いがけないインスピレーションが得られるかもしれません。

プリセットをロードすると、7つのコードがキーボードの白鍵にマッピングされます。鍵盤を自由に弾いてお気に入りのシーケンスを見つけたり、Kontaktインターフェイス上の丸いサークルをクリックして各コードをトリガーしたりできます。

Chords Toolのインターフェイス
Chords Toolのインターフェイス

インターフェイス右上でコード進行のキーをプロジェクトに合わせて調整できます。また、クラシックなメジャーやマイナーのほか、フリジアンや平調子といった個性的なスケールなど、幅広い選択肢からスケールを変更することも可能です。

Kontakt 8のChord Toolの魅力は、音楽理論を知らなくても素晴らしいコード進行を作成できる点にあります。しかし、サウンドの背景にある理論に関心がある場合は、演奏中にChord Toolでコード名を表示させることもできます。この設定はSettingsメニュー(GUI右上の歯車アイコン)から有効にできます。

今回はNight Rideプリセットを使ってソウルフルなコード進行を作成しました。演奏には、サンプリングとシンセシスを融合させた革新的なKontaktインストゥルメントであるConfluxを使用しています。もちろん、Chord Toolは以前のKontaktインストゥルメントでも問題なく動作します。

次に、Chordsを使ってこのコード進行を好みに合わせてカスタマイズしていきましょう。

コードを調整するには、インターフェイス上のサークルをクリックします。虫眼鏡アイコンを使って別のプリセットコードに置き換えることができます。また、サイコロをクリックしてランダムにコードを選択することも可能です。鳴らしたい特定のコードがある場合は、録音ボタンを押してMIDIキーボードから直接演奏して入力しましょう。

コードのカスタマイズ
コードのカスタマイズ

この例では、コードのカスタマイズ機能を使ってコード進行の2番目と最後から2番目のコードを微調整し、よりスムーズな流れに仕上げました。

続いて、コードに動きを加えてみましょう。これには、インターフェイス右下にあるStrumとHumanizeコントロールを使用します。

StrumとHumanizeの追加
StrumとHumanizeの追加

Strumは、ギターをかき鳴らすように各コードの構成音を時間差で発音させる機能です。ストロークの量や方向をコントロールできます。ここでは、ゆっくりとしたアップワード・ストロークに設定しました。

Humanizeは、あえてわずかな揺らぎを加えることでサウンドに深みをもたらします。ノブを上げるだけで手軽にニュアンスを加えられるほか、上部の矢印をクリックすればより詳細なカスタマイズが可能です。ここでは、より揺らぎのあるフィールを出すためにTimeの量を上げ、コード進行の一部の音がスキップされるようにSkipも追加しました。

これらの調整によって、コード進行に人間味あふれる魅力が加わったサウンドを聴いてみましょう。

コード進行からインスピレーションが得られたので、これをベースにトラックの構築を始めましょう。そのためには、コードのノートをKontakt以外のインストゥルメントでも使用する必要がありますが、Chords Toolなら簡単に実現できます。

インターフェイス右上にある十字矢印のアイコンをドラッグするだけで、コード進行をMIDIデータとしてDAWへ直接ドロップできます。また、該当するサークルをクリックしてその矢印アイコンをドラッグすれば、個別のコードを取り出すことも可能です。

Ableton Live内のMIDIとしてのコード進行
Ableton Live内のMIDIとしてのコード進行

コードをMIDIデータとして書き出せば、編集、複製、再配置などを自由に行えます。今回はコード進行のMIDIデータを使って、Massive Xによるキーボードパートと、Monarkによるベースラインを追加しました。

Phrasesでメロディのインスピレーションを見つける

次は、スケッチにメロディを追加していきましょう。ゼロから頭を悩ませて考える代わりに、Phrases Toolを使えば素早くインスピレーションを得ることができます。その手順を見ていきましょう。

Phrases Toolのプリセットメニュー
Phrases Toolのプリセットメニュー

Chordsと同様に、Phrasesにもジャンル、スタイル、タイプ別にフィルター可能な、緻密に作り込まれた100種類以上のメロディグループが用意されています。

プリセットをロードしたら、キーボードの白鍵を弾いて、相互に関連する7つの異なるメロディフレーズをトリガーします。鍵盤を順に演奏していくことで、これらのフレーズをつなぎ合わせてより長いメロディを構築できます。

今回はコードに合わせて、ソウルフルなLate Nightsプリセットを選択しました。その後、コード進行のト短調(Gマイナー)に合わせてキーとスケール(インターフェイス右上)を調整しました。

Phrases Toolのインターフェイス
Phrases Toolのインターフェイス

お気に入りのKontaktインストゥルメントの1つである40's Very Own Keysのエレガントなリードパッチで演奏したメロディを聴いてみましょう。

それでは、メロディを思い描く音楽のイメージにさらに近づくよう調整していきましょう。

Phrasesでは、キーを長押しすることでフレーズをループさせることができます。サークルの端をドラッグして、このループの長さを変更することも可能です。今回はこれを利用して、短いメロディの繰り返しを作成しました。

RotateとInvertコントロールを使用すると、メロディをさらに変化させ、面白く予想外の新しいバリエーションを生み出すことができます。Rotateはフレーズを別の開始位置から再生し、Invertはフレーズのどの部分をどの音符で演奏するかを変更して、元の旋律に関連した新しいバージョンを作成します。

フレーズのカスタマイズ
フレーズのカスタマイズ

これらのコントロールを調整する前に、Globalトグルに注目してください。これがオンになっていると、RotateとInvertは7つのフレーズすべてを一度に変更します。オフに切り替えると、フレーズごとに個別に変化をつけることができます。

調整してもフレーズが今ひとつしっくりこない場合は、いつでもRandomizeを押して、思いがけない新しいフレーズを生成できます。

フレーズの長さに変化をつけ、RotateとInvertコントロールを調整してさらに面白みを加えたメロディがこちらです。

Phrasesを使ったメロディの編集方法は、まだまだ他にもたくさんあります。Globalトグルの横にある鉛筆アイコンをクリックすると、さらなる編集ツールにアクセスできます。ここでは音の長さ(ノートレングス)、ピッチのトランスポーズ、ベロシティデータに対するフレーズの反応、複雑なループ設定などを調整できます。

フレーズ編集ツールの使用
フレーズ編集ツールの使用

スウィングノブを上げて、メロディに心地よい揺らぎを加えるのも忘れないようにしましょう。ここでは8分音符のスウィングを少し加えました。先ほど作成したコードにメロディを重ねたサウンドがこちらです。スケッチがまとまり始めてきました。

Chords Toolと同様に、PhrasesでもMIDIデータを書き出してDAWで活用することができます。4方向の矢印アイコンをクリックし、MIDIをDAWにドラッグするだけです。今回はメロディのMIDIデータを使って、先ほど追加したベースラインをより躍動感あるものにし、トップラインと同じ輪郭を持たせました。

フレーズMIDI(黄)とベースラインMIDI(紫)
フレーズMIDI(黄)とベースラインMIDI(紫)

最後に、すべてのレイヤーを重ねた完成トラックをお聴きください。

ChordsやPhrasesのToolsを活用することで、アイデア出しの段階で行き詰まることなく、緻密で魅力的なスケッチを簡単に作成できました。これらのToolsは、誰もが恐れる「白紙」の瞬間を乗り越え、制作の勢いに乗るのを後押ししてくれます。ここからさらにレイヤーを重ね、スケッチを完成したトラックへと発展させていきましょう。

Kontakt Toolsを活用して、瞬時のインスピレーションを獲得

この記事では、音のインスピレーションを瞬時に形にするための、Kontakt 8の新しいChordsおよびPhrases Toolsの使い方をご紹介しました。アイデアの着想から詳細なカスタマイズまで、これらのパワフルなデバイスを詳しく解説してきました。今度はぜひ、ご自身の制作プロセスにKontakt Toolsを取り入れてみてください。

Kontakt Toolsは、業界標準のサンプリングプラットフォームであるNative Instruments Kontakt 8に搭載されています。強力な新機能と、数千種類にも及ぶ世界最高水準のインストゥルメントライブラリを備えたKontakt 8は、まさに無人島に持っていきたい必携のプラグインです。

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