ドラムビートは、ほぼすべてのポピュラー音楽スタイルの根幹を成す要素です。そのため、基本的なドラムパターンの打ち込みや様々な種類のドラムビートを理解することは、あらゆるプロデューサーやビートメイカーにとって不可欠です。この基本ドラムパターンガイドでは、すべてのプロデューサーが知っておくべき7種類のドラムビートの作り方を紹介します。ファンク、ロック、ジャズ、ヒップホップ、ハウス、トラップ、そしてドラムンベースのドラムビートパターンを網羅して解説します。
セクション一覧:
これらのビートを作成するために、NI 360 EssentialsおよびKompleteに含まれるサウンド、Studio Drummer、Battery 4、24K Drumsを使用します。
Studio Drummerと24K DrumsはKontaktインストゥルメントであり、フルバージョンのKontakt 8または無料のKontakt 8 Playerで使用できます。
さまざまなドラムパターンの作り方
ドラムのヒット(打音)を異なる位置に配置することで、多彩なドラムパターンを作ることができます。例えば、ディスコのドラムパターンでは通常、小節の各拍にキックドラムが配置されますが、ジャズのドラムではキックやスネアがより変則的に配置されます。
また、音楽のスタイルによって固有のドラムサウンドが結びついていることもよくあります。例えば、テクノではシンセ系ドラムが、ロックミュージックでは生ドラム(アコースティックドラム)がよく使われます。
ドラムパターンのノリに影響を与えるもうひとつの要素はテンポ(演奏速度)です。例えば、ハウスミュージックのドラムパターンは通常120 BPM前後ですが、ドラムンベースのドラムパターンは170 BPM前後になります。
すべてのプロデューサーが知っておくべき7つのドラムパターン
幅広いジャンルで耳にする代表的なドラムパターンを見ていきましょう。
1. ファンクのドラムパターン
ファンクは70年代のグルーヴ感あふれるサウンドであり、多様なテンポが存在するものの、思わず足でリズムを取りたくなるビートのおかげで、常にダンサブルであり続けます。
ファンクビートを作るために、Studio Drummerを使用します。Kontaktのライブラリでインストゥルメントを選択し、Session Funkキットをダブルクリックして読み込みましょう。

音楽制作ソフトウェアのプロジェクトテンポを100 BPMに設定し、まずは2拍目と4拍目にスネアを、1番目、2番目、6番目の8分音符の位置にキックを配置します。特に指定がない限り、このチュートリアルではすべてのベロシティ値を100に設定します。

次に、これらの8分音符の位置にクローズドハイハットを追加し、最後の8分音符にオープンハイハットを配置します。

これで基本的なドラムビートが完成しましたが、ファンクらしい本物のノリを出すにはまだ何かが足りません。ここまでは完全にスクエアに演奏されているため、グルーヴを生み出すにはスウィングした16分音符を加える必要があります。1.2.4と1.3.2の直後にクローズドペダルハットを追加してスウィング感を出し、ビートにダンサブルなノリを与えましょう。

このハイハットと同じタイミングにスネアを重ねてみましょう。これらのスネアはメインのスネアよりも音量を抑えたいので、ベロシティを75前後に下げます。こうした「ゴーストスネア」がビートのファンキーな質感を大幅に引き立て、思わず首を振りたくなるような心地よいグルーヴを生み出します。

2. ロックのドラムパターン
ロックのドラムにはさまざまなバリエーションがありますが、この例では、迫力あるサウンドと力強い推進力を持つリズムが特徴的な、70年代のクラシックなハードロックを取り上げます。
このビートでもStudio Drummerを使用しますが、今回はSession Hard Rockキットを使い、プロジェクトテンポを80 BPMに設定します。

まずは小節の2拍目と4拍目にスネアを、1拍目と3拍目にキックを配置します。

次に、8分音符でクローズドハイハットを追加します。

パートに少しグルーヴ感を加えるため、2つ目のキックにバリエーションを加えます。2つ目のキックの16分音符後ろにもう1つキックを追加し、ベロシティを76に下げます。これにより単調さが和らぎ、適度なノリが生まれます。

音量を抑えたキックの追加
70年代クラシック・ハードロックの壮大なサウンドの大きな鍵となるのが、広がりと奥行きのあるルーム感豊かなスネアです。Mixerタブを選択し、Roomマイクのレベルを上げることでこれを再現できます。

3. ジャズのドラムパターン
ジャズのドラムは、ファンクやロックのグルーヴを軸とした構造とは一線を画し、より表現力豊かで自由度の高いアプローチを取る傾向があります。また、キックやスネアよりもシンバルに重きを置いているのが大きな特徴です。
ジャズビートを作るために、Studio DrummerのSession Jazzキットを使用し、プロジェクトテンポを137 BPMに設定します。

2小節にわたり4分音符でライドシンバルを配置し、各小節の2拍目と4拍目にペダルハイハットを追加します。

続いて、1拍おきに最後の8分3連符の位置にライドを追加します。これらはメインのライドよりも音量を控えめにしたいので、ベロシティを81に下げます。

これで基本的なスウィングしたジャズグルーヴが完成します。リズムを牽引するのはキックやスネアではなく、このシンバルワークです。キックやスネアも使用できますが、メインのグルーヴというよりはアクセントとして用いられることが多くなります。各小節の1拍目の最後の8分3連符の位置にスネアを追加し、さらに2小節目には3拍目の頭にもスネアを配置しましょう。これらも比較的控えめな音量にするため、ベロシティは80に設定します。

また、1小節目の4拍目の最後の8分3連符、そして2小節目の2拍目にもキックを追加しましょう。これらも音量を抑えめにするため、ベロシティは73にします。

4. ヒップホップのドラムパターン
ファンクに強い影響を受けたゴールデンエイジのヒップホップは、迫力あるサンプリングドラムのヒットと、ファンキーでスウィング感のあるプログラミングが特徴です。
ヒップホップのビートを作るために、24K DrumsのShow Out Kitを使用し、プロジェクトのテンポを87 BPMに設定します。

まずは1小節にわたってクローズド・ハイハットを8分音符で配置します。

次に、2拍目と4拍目にスネアを加え、1番目と6番目の8分音符の位置にキックを配置します。

ここでスウィング感を加えていきましょう。音楽制作ソフト(DAW)のスナップ機能をオフにして、1拍目の最後の16分音符の位置にスウィングさせたキックを追加します。音量を抑えるため、このノートのベロシティを71に下げましょう。この1音がビートに弾むようなヒップホップのフィーリングをもたらします。

この1小節のループだけでは少し単調なので、複製して2小節に広げ、2小節シーケンスの最後の16分音符にスウィングさせたスネアを加えます。このノートのベロシティは64に設定しましょう。

もちろんこれはヒップホップの一例にすぎません。Lo-Fiヒップホップのドラムについて学びたい方はこちらをご覧ください。
5. ハウスのドラムパターン
ディスコの進化形であるハウスは、純粋なエレクトロニック・ミュージックとして最初に登場したスタイルのひとつです。力強い4つ打ちのキックドラムと、ファンキーでスウィング感のあるハイハットが絶妙に対比され、中毒性のあるグルーヴを生み出します。
ハウスのビートを作るために、Battery 4のDisco Neu Kitを使用し、プロジェクトのテンポを123 BPMに設定します。

小節の各拍にキックドラムを配置して確かな4つ打ちの土台を作り、2拍目と4拍目にクラップを入れます。

8分音符でクローズド・ハイハットを配置し、3拍目の手前にスウィングさせた16分音符のハイハットを加えます。これらはベロシティ86に設定しましょう。

クラシックなハウス特有の推進力あるシンコペーションのアクセントをつけるため、拍と拍の間にある8分音符にオープン・ハイハットを配置します。

最後に、さらなるファンクのニュアンスを加えるため、小節の終わりにスウィングさせた16分音符のスネアを追加します。このベロシティは86に設定しましょう。

6. トラップのドラムパターン
トラップは現代ヒップホップを代表するサウンドとなり、タイトなRoland TR-808スタイルのドラムサウンドを用いて、重低音の効いた歯切れの良いシンセティックなビートを作り出します。
Battery 4の808 Multiple Kitを使い、プロジェクトのテンポ130 BPMでこのビートを作成します。

まずは2小節にわたって8分音符でクローズド・ハイハットを配置し、各小節の3拍目にクラップを入れます。

次に、1小節目は1拍目と4拍目に、2小節目は2拍目にキックを配置します。

2小節目の最後の8分音符2つにスネアを追加します。

トラップでよく使われる手法が、アクセントとしてのハイハットのロールです。MIDIエディターのグリッドサイズを32分音符に設定し、各小節の4番目のクローズド・ハイハットを32分音符3連打のロールに置き換えましょう。

より滑らかに転がるようなサウンドにするため、真ん中のノートのベロシティを94前後に少し下げます。

7. ドラムンベースのドラムパターン
90年代のブレイクビーツをベースにしたジャングルから進化したドラムンベースは、ファンクの影響を受けた高速なエレクトロニック・ビートを中心に展開します。
このドラムンベースのドラムパターンを作るために、力強いキックとスネアが特徴のBattery 4の2 Funk Kitを読み込み、プロジェクトのテンポを174 BPMに設定します。

多くのドラムンベース楽曲は、小節の2拍目と4拍目にスネアを配置し、1番目と6番目の8分音符の位置にキックを配する2ステップのリズムをベースにしています。

次に、8分音符でクローズド・ハイハットを加えます。

スウィングがないと硬く機械的なサウンドになってしまうため、スナップ機能をオフにし、8番目と10番目の16分音符の位置に軽くスウィングさせた16分音符のハイハットを加えます。キックとスネアの推進力あるリズムを邪魔せず、スウィングのニュアンスをほんのり添える程度にするため、音量は比較的低めに設定しましょう。ベロシティは76あたりが適しています。

ドラムパターンの作成をスタート
本ガイドでは、プロデューサーなら誰もが知っておくべき代表的な7種類のドラムパターンの作り方を、NI 360 EssentialsやKompleteに含まれるインストゥルメントを使って紹介しました。
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