現代の制作ツールはほぼどんなサウンドでも作り出せますが、時には伝統的な楽器こそが最高の選択肢となることもあります。何世紀もの歴史を持ちながら、ピアノは今なお人々を魅了し続けています。幸いなことに、この時代を超越したサウンドを取り入れるために、自宅やスタジオに巨大な生ピアノを置くスペースを確保する必要はもうありません。最高のピアノプラグインなら、ソフトウェア形式で驚くほどリアルなピアノサウンドを再現でき、伝説的なコンサートグランドから個性豊かなアップライト、ヴィンテージのエレクトリックキーボードまで、思い描くあらゆるピアノを演奏できます。
では、あなたにぴったりのピアノはどれでしょうか?本記事では、Native Instrumentsが提供する最高のピアノVSTの中から選りすぐりの12製品を、試聴用オーディオサンプルとともにご紹介します。10フィートのグランドピアノからポップスター愛用のキーボード、さらにはピアノサウンドとエレクトロニックなテクスチャーを融合させた革新的なハイブリッド音源まで、幅広いラインナップを網羅しています。劇伴の制作からポップトラックのプロデュース、エレクトロニックビートへのリアルな質感の追加まで、求めている理想のピアノが必ず見つかるはずです。
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まずご紹介するのは、クラシカルなグランドピアノを見事にエミュレートし、あらゆる音楽シーンで存在感を放つThe Grandeurです。
最もリアルなサウンドのピアノVSTとは?
最もリアルなサウンドのピアノVSTの候補には、Claire、The Grandeur、The Maverickなど数多くの選択肢があります。これらのインストゥルメントは高度なサンプリング技術を駆使し、実在の楽器を極めて緻密に再現しています。それぞれが独自の音響特性を持ち、特定の用途やジャンルに適しています。さらに、高度なデジタルサウンドシェイピング機能も備えており、理想のピアノサウンドに仕上がるまで調整を重ねることができます。単にリアルなだけにとどまらない表現力こそが、VSTの真骨頂です。
シンセサイザーでピアノの音を作ることはできる?
多くのシンセサイザーでかなり説得力のあるピアノ風サウンドを作ることができますが、サンプリングによるピアノエミュレーションで本物のサウンドが手に入るなら、妥協する必要はありません。NoireやClaireなどの優れたピアノVSTは、新たなサウンドを合成(シンセサイズ)するのではなく、実物のピアノから収録した数千ものサンプルを駆使して、本物の鳴りに限りなく近づけています。それでもシンセの質感を求めたい場合は、CrosstalkやHybrid Keysのような革新的なピアノVSTがおすすめです。本物のピアノサウンドに追加音源を組み合わせることで、シンセサイザーを思わせる魅力的な効果を生み出せます。
Native Instrumentsの厳選ピアノプラグイン&VST 12選
1. Noire
リアルなクラシックグランドピアノをお探しですか?それとも豪華なサウンドデザインツールが必要でしょうか?Noireなら、その両方を手に入れることができます。このユニークなKontaktインストゥルメントでは、作曲家でありピアニストでもあるNils Frahmが所有するコンサートグランドピアノを、ベルリンを象徴するスタジオFunkhausでサンプリングしたサウンドを演奏できます。

カスタムイントネーションが施され、フェルトダンパーなどの独特な特徴を備えたこのピアノは、Frahmのトレードマークとも言えるサウンドの核となっています。ネオクラシカルやアンビエントのクリエイターにとって、Noireは楽曲のクオリティを手軽に引き上げてくれる心強い味方となるでしょう。しかし、Noireの魅力は特定のサウンドを模倣するだけにとどまりません。豊富なカスタマイズオプションや追加のサウンドデザイン機能、演奏に合わせてノートを生成する革新的なParticlesエンジンを備えた、ユニークな個性が光る万能ピアノ音源です。
2. Crosstalk Piano
従来のピアノエミュレーションの枠を超えたいなら、Crosstalk Pianoが最適な選択肢となるかもしれません。この次世代インストゥルメントは、アップライトピアノにフィールドレコーディングや不気味なフィードバックループなどの加工されたマルチサンプルを融合させています。その結果生まれた大胆でモダンなサウンドは、劇伴制作や雰囲気のあるエレクトロニックトラックに最適です。

Crosstalkでサンプリングされている1974年製アップライトピアノは、長年愛用されてきた楽器ならではの美しくメランコリックなトーンを持ち、単体でも素晴らしい響きを聴かせます。しかし、追加サンプルを組み合わせることで、その真価が発揮されます。Crosstalkの独創的な設計により、サウンドのレイヤーや複雑なモジュレーションのプログラミングが簡単に行えます。あっという間にピアノの音が最先端シンセのように変貌し、独特のニュアンスを持ったパッドやアンビエンス、リードを生み出すことができます。
3. Piano Colors
Piano Colorsは、ピアノが出せるとは思ってもみなかった音の世界を提示してくれます。この音源の開発では、マレット、ゴム、ネジ、E-Bowなど、型破りな道具や素材を使ってグランドピアノを演奏しサンプリングを行いました。これらのサンプルだけでも刺激的ですが、Piano Colorsは独創的なプロセッシングエンジンによってさらに一歩踏み込み、波打つようなグルーヴや広がりのあるパッドへと変化させることができます。

Piano Colorsは、アルペジエーター、モジュレーション用のMotionエンジン、拡張版Particlesエンジンなどのスマートなジェネレーティブツールを備え、実験的なアプローチを簡単に行うことができます。難しそうに感じるかもしれませんが、心配はいりません。Piano Colorsは明るく生き生きとしたサウンドを備えており、どのように加工しても耳馴染みの良いトーンが得られます。ポップスやクラブトラックからアバンギャルドな楽曲制作まで、幅広く活躍する革新的なピアノ音源です。
4. Claire
最高のグランドピアノエミュレーションを求める旅は、Claireで完結するかもしれません。このKontaktインストゥルメントは、イタリア製の10フィートコンサートグランドピアノの魅力を余すところなく収録しています。極めてクリアで豊かなピアノサウンドを誇り、長大な弦による重厚な低音や、音色を変えずに音量を抑えて演奏できる独自の第4ペダルなど、この楽器ならではの特徴をしっかりと捉えています。

本物のピアノサウンドという点において、Claireの右に出るものはありません。さらに、多彩な機能も隠し持っています。Color、Depth、Richnessといったパラメーターを調整したり、NoireでもおなじみのParticlesエンジンを起動して、演奏を渦巻くようなアンビエンスへと変化させたりすることも可能です。コンサートホールの迫真のリアリズムからスタジオでの緻密な音作りまで、Claireはあなたのニーズに完全に応えてくれる究極のピアノインストゥルメントです。
5. Alicia’s Electric Keys
ポップスやR&Bのピアノといえば、この2つの音源が最高のピアノVSTと言えるでしょう。オリジナルのAlicia’s Keysは、Alicia Keys本人が愛用するYamaha C3 Neoグランドピアノの演奏を収録しており、その温かみのあるサウンドは現代のプロダクションに見事に馴染みます。そして後継となるAlicia’s Electric Keysでは、70年代から現在に至るまで数々のポップヒットを彩ってきた名機、CP-70エレクトリックグランドピアノがサンプリングされています。

アコースティックピアノとエレクトリックの可能性を融合させたCP-70は、刺激的なクリエイティブの可能性を切り拓いてくれます。Alicia自身によるアイデアも反映されており、Alicia’s Electric Keysのサウンドデザインエンジンには、彼女が個人的に使用するために構築したカスタムエフェクトチェーンが搭載され、ピアノの音をパッドやギターのようなトーンなどに変化させることができます。この2つのインストゥルメントは、ポップピアノを制作する上で間違いのない定番となるでしょう。
6. 40’s Very Own Keys
40’s Very Own Keysを使えば、ひとつのジャンルを定義づけたアイコニックなサウンドを手に入れることができます。プロデューサーNoah “40” Shebibと共同開発されたこのインストゥルメントには、彼が手がけたDrakeの代表曲を彷彿とさせる、滑らかでムーディーな鍵盤サウンドが凝縮されています。

R&Bやダウンテンポには間違いなく必須のピアノ音源ですが、魅力はそれだけにとどまりません。多彩なピアノやクラシックシンセを網羅し、柔軟な音作りが可能な厳選の150サウンドは、あらゆるエレクトロニックミュージックの制作で威力を発揮します。直感的なPlay Series形式でまとめられており、ひらめきを瞬時に形にするのに最適です。おすすめのヒント:カスタム「40」マクロを調整すれば、プロデューサーの代名詞とも言えるあの「水中(アンダーウォーター)」サウンドを数秒で再現できます。
7. Hybrid Keys
Crosstalkが持つサウンドの融合という可能性をよりコンパクトなフォーマットで求めたいなら、Hybrid Keysが最適なピアノVSTかもしれません。このPlay Series音源は、ピアノだけでなくオルガンやチェンバロを含む豊富なキーボードサンプルと、独創的なエフェクトを組み合わせています。これらを重ね合わせることで、本格的なピアノの音色に軸足を置きつつ、聴く者を惹きつける斬新なサウンドを生み出します。

収録されたプリセットは瞬時に独特の空気感を演出してくれるため、納期に追われる劇伴作曲家にとって心強いツールとなります。さらに音を作り込みたい場合も、詳細なSound Editorページ、カスタムFXチェーン、16ステップシーケンサーによって自在にサウンドを追求できます。
8. Electric Keys – Tines Duo
いつの時代も色褪せないピアノサウンドがあります。Tines Duoは、1960年代以降のジャズ、ソウル、ファンクなどを特徴づけてきた、エレクトロメカニカル・キーボードの唯一無二のサウンドを捉えています。メロウなコード、ワウを効かせたリフ、きらびやかでベルのような音色など、これらの楽器は数え切れないほどの名盤でその存在感を示してきました。サンプリングされたこれらの音源は、ジャンルを問わず、ヴィンテージな質感を求めるプロデューサーにとって必携のアイテムです。

馴染みのある音色をお探しなら、最も有名なエレクトリック・ピアノのサウンドを再現したElectric Keys – Phoenixを試してみましょう。もっと冒険してみたいなら、フェルト製のピアノハンマーにより、まるでヴィブラフォンのような独特なトーンを生み出す、1967年製の希少なエレクトリック・ピアノをサンプリングしたElectric Keys – Diamondがおすすめです。
9. The Grandeur
The Grandeurは、本格的なグランドピアノサウンドを最先端のクオリティで提供します。あらゆるシーンで活躍する万能なピアノインストゥルメントをお探しなら、まさに最適なピアノプラグインと言えるでしょう。このインストゥルメントは、伝説的なクラシック・コンサートグランドを細部に至るまでサンプリングしています(収録された2,500ものサンプルの中には、キーリリースだけでも9段階のベロシティレイヤーでサンプリングされているものもあります)。豊かで極めてダイナミックなインストゥルメントであり、クラシックやジャズをはじめ、幅広いジャンルに最適です。

よりモダンな楽曲制作にも、The Grandeurなら柔軟に対応できます。音色やダイナミックレンジの調整、リッド(大屋根)の開閉、メカニカルノイズの音量調整、内蔵エフェクトによる音作りなど、思い通りのサウンドを簡単に作り込むことができます。どのようなシチュエーションにも、このインストゥルメントは確実に応えてくれます。
10. Ignition Keys
最先端のポップス向けピアノをお探しなら、Ignition Keysをお試しください。使いやすさに優れたこの音源は、サンプリングされたヴィンテージ楽器とトレンドを取り入れたプロセッシングを融合させ、ヒットチャートを狙えるサウンドを生み出します。さらに扱いやすいPlay Seriesフォーマットを採用しているため、インスピレーションが湧いた瞬間にすぐ使え、曲のスケッチやスピーディーなスタジオセッションにも最適です。

150種類のプリセットには、ピアノやオルガンに加え、シンセリードやパッドも網羅されています。立ち上げてすぐに素晴らしいサウンドが得られるため、アイデアが湧き出ている最中に音作りの調整で作業が止まることもありません。もちろん、さらに踏み込んだサウンドメイキングにも最適です。テープワブルやローファイなビットクラッシュなど、インパクトのあるエフェクトマクロの操作も実に魅力的です。
11. Session Keys Electric Bundle
単なるレトロ趣味にとどまらず、Session Keys Electric Bundleはクラシックなエレクトリック・ピアノを新たな次元へと引き上げます。収録されている3つのインストゥルメントは、時代を超えて愛されるサウンドをサンプリングしています。Electric Rは1976年製のステージピアノ、Electric Sは1973年製のスーツケース・エレクトリックピアノ、そしてElectric Wは象徴的な名機を捉えています。いずれも多くのプロデューサーにとって馴染み深いサウンドであり、あらゆるジャンルのトラックにヴィンテージな風味を加えるのに最適です。

しかし、このエレクトリック・バンドルを際立たせているのは、その拡張機能です。個性的なアーティキュレーションと革新的なサウンドモーフィング機能により、クラシックな楽器に新たな音響の地平を切り拓きます。忠実なヴィンテージ・エミュレーションにとどまらない表現を求めるプロデューサーなら、Electric Bundleを試してみる価値は十分にあります。
Session Keys Electric Bundleを入手
12. The Maverick
The Maverickは、確固たる個性を持ったピアノです。このユニークなインストゥルメントは、1905年にプロイセン王子(Prince of Prussia)のために作られた唯一無二のグランドピアノをサンプリングしています。色彩豊かで型破りなサウンドは、モダンポップスにヴィンテージの個性を加えたり、ジャズに本格的な雰囲気を醸し出したりするのに最適です。

The Maverickは、The Grandeurと同様にThe Definitive Piano Collectionを構成する音源の一つであり、極上のサウンドと最先端の機能を兼ね備えています。トーンを明るくしたり、ハンマー音を抑えたりと、制作環境に合わせて音色を自在にカスタマイズできます。しかしどのように調整しても、The Maverickは常にその確固たる個性を失いません。それこそが、このピアノの特別な魅力です。
ピアノVSTで楽曲に息吹を
この記事では、Native Instrumentsが提供する選りすぐりのピアノVST音源12選をご紹介しました。クラシック・コンサートグランドから個性的なノイズメーカー、ヴィンテージなエレクトリック・キーボードまで、世界最高峰のインストゥルメントを見てきました。ラインナップを把握したところで、ご自身に最適なピアノプラグインを見つけ、制作に生命感と豊かな表現力をもたらしましょう。
どれから始めるべきか迷っているなら、The Grandeurが確実な選択肢です。最先端技術でサンプリングされたこのグランドピアノは、汎用性が高く驚くほどリアルで、あらゆるジャンルやシーンに対応できます。