|Native Instruments

Guy MantzurとChicolaが語る、モダンなメロディックテクノにおける奥行きの作り方

シェア リンクをコピーしました
Guy Mantzur Chicola Build feature

Guy MantzurとChicolaは、コラボレーションを常に「異なる世界同士の対話」のように捉えてきました。SashaのレーベルLast Night on Earthからリリースされた彼らの最新EP『Neon Bible』は、まさにその対話を完璧に捉えています。ディープで催眠的、エモーショナルでありながら緻密さを失わないそのサウンドの中核を担っているのが、トラックに輪郭と躍動感をもたらした2つのツール、RaumとReplika XTです。

両プロデューサーは緻密なコントロールと雰囲気作りによってキャリアを築き上げてきましたが、本作でもその直感が存分に発揮されています。Raumはシンセの空間的なアイデンティティを際立たせ、メロディがぼやけることなく漂う空間を作り出し、Replika XTはリバーブをグルーヴの中で生かし続けるリズミカルな躍動感を与えています。音の厚みを出すためにレイヤーを重ねるのではなく、空間そのものを楽器として扱い、それぞれの要素に息づく余白を与えつつ、彼ら特有の緊張感を保っています。

MantzurとChicolaにとって、こうした選択は「感情をデザインする」ためのものでした。Raumはセクション間に奥行きとコントラストを構築する手段となり、Replika XTは動きとテクスチャーによってその変化を自然にまとめ上げました。その結果、スタジオで長年培ってきた信頼関係を反映するかのように、明瞭さと空気感が絶妙なバランスで調和した、生命力に満ちた作品に仕上がっています。

各セクションへスキップ:

2人が『Neon Bible』の制作テクニックについて語り合いました。空間表現に対するRaumとReplika XTの影響や、ダンスミュージックにおいて音の大きさよりも「意図」が重要である理由に迫ります。

360サブスクリプションで両方のプラグインを手に入れましょう。

360を無料でお試しください

2人が作成した無料のReplika XTプリセットはこちらからダウンロードできます:

無料プリセットを入手

『Neon Bible』の制作において、Raumはミックス全体の奥行きを形作る上でどのような役割を果たしましたか?

Guy MantzurとChicolaのプラグイン

僕たちは普段のプロジェクトでもRaumを頻繁に使っていますが、『Neon Bible』の制作では特に重要な存在になりました。ミックス内の特定の要素に広がりと立体感を加えたいとき、Raumは真っ先に手に取るツールの1つです。

もう1つ気に入っているのは、より実験的な使い方ができる点です。例えばCosmicモードには無限の可能性を感じます。サウンドを完全に変貌させるグラニュラーなテクスチャーを作り込むことができるんです。トラックにRaumを強くかけるためだけにチャンネルを複製することもあり、そうすることで楽曲を新たな次元へと引き上げる独特のレイヤーが生み出せます。

Chicolaもサウンドデザインのサンプルを作る際によく使っていました。

トラック全体に動きを加えたい場合、Replika XTとRaumをどのように使い分けていますか?

Replika XTは僕たちのお気に入りのディレイの1つで、Cubaseでは基本的にセンドエフェクトとして使っています。一方、Raumはインサートとして使うことが多いですね。その使い分けだけでも、僕たちのワークフローにおいてそれぞれ独自の役割が生まれます。ですが、Replika XTをもっとクリエイティブに活用するのも大好きです。パン設定ができるDual Modeを使えばステレオ音場を広げ、特にパーカッションやドラムなどのワンショットに美しい広がりを加えることができます。

時にはReplika XTをGuitar Rig Pro 7にルーティングして、カスタムのエフェクトチェーンを構築することもあります。ディレイやリバーブをBiteやDirt、Driverプラグインなどのエフェクトと組み合わせることで、サウンドを一変させ、動きや奥行きを保ちながらざらつきや力強さを加えることができるんです。この柔軟性こそが、僕たちがReplika XTとGuitar Rigに刺激を受け続ける理由です。

お二人のトラックは常にアトモスフェリックでありながら輪郭がくっきりしています。サウンドが濁ることなく空間と奥行きをコントロールする秘訣は何ですか?

Guy MantzurとChicolaのNIキーボード

ディレイとリバーブはどちらも素晴らしいツールですが、やりすぎるとトランジェントが失われ、ぼやけた不明瞭なサウンドになりがちです。シンプルなコツとしては、エフェクトがメインの要素とどう馴染んでいるかを常に確認することです。例えばボーカルの場合、リバーブを深くかけすぎるとミックスの奥に引っ込みすぎてしまいます。

僕たちのお気に入りのテクニックは、リバーブにドライなボーカルのサイドチェーンをかけることです。こうすることで、ボーカルは前面でクリアに聴こえつつ、言葉の合間のスペースでリバーブが自然に広がります。メインの演奏を邪魔することなく、雰囲気を生かし続けることができるんです。結局のところ、「Less is more(少ない方が豊かである)」という考え方に尽きますね。時には、シンプルさが最も強い力を発揮します。

ミックス内でサウンドがすでに十分な存在感を持っているか、それともさらにRaumやReplika XTでの処理が必要かをどのように判断していますか?

Guy MantzurとChicolaのストーリー

そのサウンドが楽曲の中でどのような役割を担うかによって全く異なります。

前面に出てエネルギーを引っ張るべき要素もあれば、背景に存在して奥行きを作り出すべき要素もあります。適切な配置だけでなく、どのサウンドが主役となり、どれが下から支えるかを決めることが大切です。大きくエフェクト処理を施したチャンネルであっても、それが背景に収まるべきものであればミックスの奥深くに配置することもあります。

サンプルライブラリやワンショットサウンドの場合、それぞれの音が単体で成り立つようにデザインされているため、アプローチが異なることもあります。結局のところ、自分の耳を信じて感覚に従うことが判断の決め手になります。すでに十分なスケール感があるなら、余計な手を加える必要はありません。

振り返ってみて、RaumとReplika XTはお二人のサウンドに欠かせない必須ツールになったと言えますか?それとも状況に応じて使い分けるツールですか?

Guy MantzurとChicolaのプラグイン

どんなプロジェクトにも独自の状況があるので、決まりきった方程式は存在しないと感じています。

時にはWesAudio RheaやNeve 542といったアウトボードハードウェア、あるいはH9やMicrocosmなどのペダルエフェクターにフォーカスすることもあります。また、OB-6、Juno-60、Prophet 6、Prophet 12、Moogの各シンセ、最新のOsmoseといったアナログシンセで作業するのも大好きです。それらがチェーンに加われば、音作りの方向性は無限に広がります。

そこで活躍するのが、Raum、Replika XT、Guitar Rigといったツールです。これらがあることで、楽曲のニーズに合わせて柔軟にサウンドを磨き上げることができます。

過去のリリースと比べて、『Neon Bible』が空気感の面で最も際立っている要因は何だと思いますか?

Guy MantzurとChicola

20年近い付き合いになりますが、『Neon Bible』は僕たちにとって初の共同制作EPなので、とても特別な作品です。ずっと一緒にツアーを回り、ギグを行い、家族ぐるみの時間を過ごしてきたので、ついにデュオとしてプロジェクトをリリースできたことは、自然でありながらとても意義深いステップだと感じています。

僕たちの間に流れるその歴史こそが、この作品の独特な空気感を生み出す大きな要因になっています。また、John Digweedとのコンピレーション『Northern Exposure』の初期からの大ファンだったSashaのレーベルからこのEPをリリースできたことは、本当に名誉なことです。

最近ではSashaがアルゼンチンで行われたGuyのMomentsショーケースで共演したこともあり、その絆はさらに個人的なものとなって、今回のリリースにいっそう深い意味を与えてくれています。

まとめ

Guy MantzurとChicolaのライフスタイル

Guy MantzurとChicolaが『Neon Bible』について語るのを聞くと、彼らのミニマルなサウンドの裏にいかに多くのディテールが隠されているかが分かります。RaumとReplika XTは空間を埋めるためではなく輪郭を定義するために使われ、エモーションを前面に保ちながら各音色の自然な相互作用を支えていました。彼らの制作プロセスは、緻密さと引き算の美学が、複雑さ以上のインパクトを生み出せることを証明しています。

制作のアプローチや洞察を共有してくれたGuyとChicolaに感謝します。『Neon Bible』は、適切なツールが個性と世界観を際立たせ、細部をトラックの鼓動へと変えることができるという鮮やかな好例です。

360を無料でお試しください

2人が作成した無料のReplika XTプリセットのダウンロードもお忘れなく:

無料プリセットを入手

関連製品