2024年の今日、音楽プロデューサーの存在感はこれまで以上に高まっており、音楽ファンはソーシャルメディアを通じてお気に入りの楽曲を手掛けるクリエイターたちをより深く知ることができるようになりました。今回は、音楽業界を牽引する大物から大きな影響力を持つ新進気鋭のプロデューサーまで、今知っておくべき注目のトッププロデューサーたちをご紹介します。
1. Jack Antonoff
2024年現在、世界で最も影響力のあるプロデューサーの一人と言えるのがJack Antonoffです。Taylor Swift、Lana Del Rey、Carly Rae Jepsenといったトップアーティストへの楽曲提供や、自身のプロジェクトであるFunやBleachersでの活動を通じ、過去10年間のポップミュージックのサウンドを決定づけてきました。
Antonoffのスタイルは、キャッチーなフックへのこだわりと、クラシックな機材や豊かで質感のあるサウンドスケープへの愛情が融合しています。彼のプロデュースワークにはドラマチックな展開が多く見られ、楽曲に込められた感情をより一層際立たせています。
2. Metro Boomin
現代のトラップサウンドにおける代表的な立役者の一人であるMetro Boomin。彼のプロデュースワークは、無駄を削ぎ落としたパンチの効いたドラム、情緒的で雰囲気のあるメロディ、そして重厚なベースラインを特徴とし、シーンに多大な影響を与えています。
Travis Scott、Future、21 Savageといったアーティストとのコラボレーションを通じて21世紀のヒップホップにおける重要人物となったMetro Boominは、Spider-Man: Across the Spider-Verse (2023) を手掛け、映画音楽の世界にも進出しています。
3. Noah “40” Shebib
長年にわたりDrakeのコラボレーターを務める“40”は、2008年以降、この伝説的アーティストの全作品に深く関わってきました。その独特なスタイルは、型破りなサンプルや実験的なサウンドデザインによって生み出される、雰囲気豊かでドリーミーな空間を特徴としています。
ShebibはLil Wayne、Beyonce、Jamie Foxxらのプロデュースも手掛けているほか、Native Instrumentsとのコラボレーションにより40s Very Own Keysと40s Very Own Drumsを共同開発しました。
4. A. G. Cook
自身のレーベルPC Musicを通じてハイパーポップシーンの中心人物となったCookは、GFOTYや故SOPHIEといったアーティストたちと共に、ポップミュージックを未開の領域へと押し広げてきました。
ポップミュージックの定番表現を誇張して魅惑的かつ変異した形へと昇華させるスタイルを持つCookは、Charli XCXのアルバム制作に携わることでハイパーポップサウンドをメインストリームへと押し上げました。最近ではHikaru Utada、Caroline Polachek、Christine and the Queensともコラボレーションしています。
5. Jacob Collier
デビューから4作連続でグラミー賞を受賞した史上初のイギリス人アーティストであるJacob Collierは、他アーティストのプロデュースでも多彩なキャリアを築いており、Hans Zimmerと共に映画The Boss Baby (2017) のサウンドトラックを手掛けたほか、Coldplayのアルバム「Music of The Spheres」にも参加しています。
クラシック、ジャズ、ポップミュージックからインスピレーションを得ているCollierは、濃密なボーカルハーモニーとシンフォニックなテクスチャーを駆使して独自のサウンドを生み出しています。また、NIとのコラボレーションにより無料のJacob Collier Audience Choirをリリース。Collierがライブパフォーマンス中に録音した観客の歌声をもとに制作されたユニークな音源です。
6. EL-P
Run the JewelsやCompany Flowのメンバーとして名高いラッパー兼プロデューサーのEL-Pは、Aesop Rock、Jedi Mind Tricks、DJ Krushといったアンダーグラウンドヒップホップの実力者たちとコラボレーションし、Beck、Nine Inch Nails、Lordeらのリミックスも手掛けてきました。妥協のないヒップホッププロデュースに加え、数多くの映画サウンドトラックにも貢献しており、Bomb the System (2002) やCapone (2020) のスコアを作曲しています。
7. Calvin Harris
「Acceptable in the 80’s」や「The Girls」のような遊び心あふれるダンスポップでキャリアをスタートさせたCalvin Harrisは、数多くの大物アーティストとのコラボレーションを重ね、世界で最も有名なプロデューサーの一人となりました。
Mary J. Blige、Rihanna、Haim、Migos、Ariana Grande、The Weekndなど、極めて多彩なアーティストと協同しており、Harrisの洗練されたサウンドは現代のポップミュージックに欠かせないものとなっています。
8. Alicia Keys
グラミー賞を16回受賞しているシンガーソングライター、ピアニスト、プロデューサーのAlicia Keysは、R&Bとクラシックの感性を融合させ、独自のサウンドを確立しています。2018年には、その卓越した芸術的貢献が称えられ、レコーディング・アカデミーのProducers & Engineers Wingより表彰を受けました。
「Empire State of Mind」や「If I Ain’t Got You」といった不朽のポップクラシックに加え、Native InstrumentsのKontaktピアノ音源Alicia’s Keysや、近作のAlicia’s Electric Keysでも広く知られています。
will.i.am、Lil Jon、Ludacris、H.E.R.、Sonic Boom of the Southらと共に、世界中で1億2,900万人以上が視聴した第58回スーパーボウルのハーフタイムショーに出演。彼女の新作ミュージカル『Hell’s Kitchen』は今年のトニー賞でブロードウェイミュージカル最多ノミネートを獲得し、授賞式のオープニングではJay-Zと共に生放送で圧巻のパフォーマンスを披露しました。
9. Catherine Marks
プロデューサー兼ミキシングエンジニアのCatherine Marksは、過去10年間にわたりFoals、The Killers、Alanis Morissetteをはじめとするロックバンドを中心に制作を行ってきました。オールドスクールな制作手法を重んじるMarksは、ドラムのコンピングやピッチ補正を極力避け、ミックスで修正するよりも納得のいくテイクを録音することを重視しています。
最近では、インディーロックのスーパーグループboygeniusのアルバム『The Record』をプロデュースし、同作は2023年のグラミー賞で最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞を受賞。「Not Strong Enough」は最優秀ロック・ソング賞と最優秀ロック・パフォーマンス賞を獲得しました。
10. Young Guru
The Wall Street Journal誌で「ヒップホップ史上最も有名で成功したエンジニア」と称されたYoung Guru。Jay-Z作品における無骨でオーガニックなサウンドをはじめ、Mariah Carey、Ludacris、Ghostface KillahといったヒップホップやR&B界の歴代トップアーティストたちの作品を手掛けてきました。最近ではKanye WestのアルバムDondaや、The CartersのEverything Is Loveにも参加しています。
11. Mike Dean
サウスヒップホップ界のベテランであるMike Deanは、Scarface、The Dogg Pound、Tech N9neらと洗練されたファンキーなビートを制作して名を馳せ、その後Kanye Westのアルバム「The College Dropout」や「Late Registration」に携わりました。
近年、Mike Deanはポップミュージック界でも欠かせない存在となっており、Selena Gomez、Lana Del Rey、Travis Scottらと精力的に制作を行っています。
12. Take A Daytrip
Sheck Wesの「Mo Bamba」、Lil Nas Xの「Montero (Call Me by Your Name)」、Juice WRLDの「Legends」などのプロデュースで知られるTake a Daytripは、Denzel BaptisteとDavid Biralからなるプロデューサーデュオです。
Take a Daytripのサウンドは、重厚でダーティーなベースライン、リズミカルなドラム、そしてレイドバックしたバッキングを核としており、無駄を削ぎ落としたサウンドスケープでアーティストのボーカルを圧倒的な存在感で引き立てます。
13. Ludwig Göransson
作曲家、ソングライター、プロデューサーのLudwig Göranssonは、Childish Gambinoの「This is America」のプロデュースをはじめ、テレビシリーズCommunity、New Girl、The Mandalorianの音楽、映画Black Panther (2018) やTenet (2020) のスコアなど、膨大な実績を持っています。
Göranssonの作曲とプロデュースは極めて緻密で深く考え抜かれており、Tenetのサウンドトラックでは映画の時間というテーマに合わせて逆行カノンの手法を取り入れ、Black Pantherではセネガルに赴いてアフリカの伝統楽器を研究しました。最近では、Oppenheimer (2023) の音楽により、英国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞を受賞しています。
14. Marco “MAG” Borrero
Fruity Loopsを使った制作からキャリアをスタートさせたMAGは、Max Martinに見出されてロサンゼルスに招かれ、彼の愛弟子としてメロディックなビートメイクを武器に活躍しています。Bad Bunnyのアルバム「El Último Tour del Mundo」でエグゼクティブプロデューサーを務め、ラテンポップにロックのエッジをもたらしたほか、Imagine Dragonsのシングル「I Don’t Like Myself」の制作にも携わりました。
15. WondaGurl
WondaGurlの名で知られるEbony Naomi Oshunrindeは、エントリー向けDAWのMixcraftでテクノを制作し始め、2012年のBattle of The Beat Makersで優勝して大ブレイクを果たしました。これをきっかけにBoi-1daの愛弟子となり、Travis Scottと緊密に制作を共にするようになります。
2013年にはScottやMike Deanと共にJay-Zの楽曲「Crown」のビートを手掛け、以降Rihanna、Usher、Ab-Soulらの作品を制作してきました。
最近では、QuavoをフィーチャーしたPop Smokeの楽曲「Aim for the Moon」や、JACKBOYSとSheck Wesによる「Gang Gang」での功績が高く評価され、ジャック・リチャードソン・プロデューサー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞しました。
16. Tainy
多作なプロデューサーであるTainyは、Daddy YankeeやDon Omarをはじめとするレゲトンの先駆的アーティストたちのトラック制作で実力を認められました。近年では、Bad Bunny、Camila Cabello、Shawn Mendesらを迎えたヒット曲によって、アーティストとしても世界的な成功を収めています。
Tainyの特徴的なサウンドは、前面に出たレゲトンのリズムをベースにしつつ、伝統的なラテンサウンドからシンセウェーブやトラップに至る幅広い影響を取り入れています。
17. Hit-Boy
Hit-Boyもまた、プロデュースを手がけたJay-ZとKanye Westの「Ni**as in Paris」、Nasの『King’s Disease』、Beyoncéの『Renaissance』などでのグラミー賞受賞により、確固たる地位を築いたプロデューサーです。
スムーズなR&Bからエッジの効いたヒップホップまでカバーする多彩なスタイルを持つHit-Boyは、ソングライターとしても活躍しており、Travis Scottの名アンセム「Sicko Mode」にも貢献しています。
18. Andrew Watt
ロックミュージシャン兼プロデューサーのAndrew Wattは、Elton John、Ed Sheeran、Selena Gomez、Ozzy Osbourne、Post Malone、Miley Cyrus、Pearl Jamなど、多岐にわたるディスコグラフィーを誇ります。
洗練された艶やかなポップスからトラディショナルなロックまで、Wattの作品は多岐にわたり、Cardi Bの『Invasion of Privacy』、Dua Lipaの『Future Nostalgia』、Ozzy Osbourneの『Patient Number 9』への参加でグラミー賞を受賞しています。
19. CardoGotWings
Mac MillerやChevy WoodsのプロデュースからキャリアをスタートさせたCardoGotWingsは、その後Drake、Skepta、Meek Mill、Wiz Khalifa、2Chainzなどの楽曲を手がけ、歯切れの良いドラムと力強く重厚なベースラインを特徴とするビートを生み出してきました。
20. Ann Mincieli
Ann Mincieliは、音楽界の大物たちとの仕事で知られる高名なレコーディングエンジニア、プロデューサー、ミキサー、そしてスタジオマネージャーです。長年にわたりAlicia Keysとコラボレーションを重ねてきたほか、Mariah Carey、Jay-Z、Beyoncé、Pharrell Williamsとも仕事を共にしています。
Mincieliは、最優秀イマーシブ・オーディオ・アルバム賞(Alicia Keysの『The Diary Of Alicia Keys』および『Alicia』)や、最優秀R&Bアルバム賞(Alicia Keysの『The Diary Of Alicia Keys』および『Girl on Fire』)など、4度のグラミー賞受賞歴を誇ります。
また彼女は、ニューヨークにある最先端のレコーディング施設、Jungle City Studiosの創設者兼オーナーでもあります。