誕生以来、Native Kontrol Standard(NKS)はKontrolキーボード、Maschineシステム、他社製コントローラーでのサウンドブラウジング、読み込み、パラメーター操作に統一されたインターフェイスを提供し、音楽制作ワークフローをシンプルにして、より直感的で効率的なクリエイティブプロセスを支えてきました。
そして今、NKS 2はハードウェアとソフトウェア音源間のワークフローをさらに合理化する多彩な機能をもたらします。今回はNative Instrumentsのアソシエイト・プロダクト・ディレクターであるMatt Hinesに、NKS 2が音楽制作プロセスをどのように変革するのか話を聞きました。
Native Kontrol Standardとは?
Native Kontrol Standard(NKS)は、様々なメーカーのハードウェアとソフトウェア音源との連携をスムーズにする統合フォーマットです。標準化されたプロトコルとして機能し、NIエコシステム内の様々なプラットフォームやデバイス上で、Native Instrumentsや主要デベロッパーのバーチャルインストゥルメント、エフェクト、プラグインのシームレスなコントロールやナビゲーションを可能にします。
Maschineでビートを作成する場合でも、Kontrolキーボードで新たな名曲を作曲する場合でも、NKSがあれば直感的で快適なワークフローが実現し、思い描くサウンドを簡単に形にできます。
Native Kontrol Standard(NKS)開発の背景にあるコアコンセプトを教えていただけますか?
音楽制作は極めて身体的な体験です。私たちは触覚的なインターアクションを通じてサウンドを伝え、呼び起こします。エレクトロニック・ミュージック制作が台頭した現在でも、その本質は変わりません。この進化によって、クリエイターとしての表現手段やインプットの幅は大きく広がりました。
バーチャル/ソフトウェア音源のサウンドの可能性は無限であるにもかかわらず、ユーザーとサウンドの間には往々にして抽象化の壁が存在します。ノートを演奏して音を鳴らすことはできても、真の没入感を得るには、演奏やパフォーマンス中にリアルタイムで音の特性を調整できることが不可欠です。
通常、ソフトウェアのパラメーターはMIDIや、デジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)制御用のHUI/MCUなどのプロトコルを通じてハードウェアコントローラーにマッピングできます。しかし、標準化は進んでいませんでした。膨大な製品を持つユーザーは、創造力を真に発揮する前に、カスタムマッピングの作成、保存、読み込みに過大な時間を費やすことになります。多くの場合、そうしたマッピングはパラメーター名が不明瞭で付加価値もほとんどなく、抽象的な状態にとどまっていました。
そこで登場したのがNative Kontrol Standard(NKS)です。単なる概念にとどまらず、ユーザーを中心とした体験そのものです。NKSロゴは、サウンドを形にする作業をスムーズにするシームレスなワークフローを保証します。
具体的には、数千に及ぶNKS対応製品のいずれかを(DAW内でVSTをホストする)Kontakt 7やKomplete Kontrolでロードすると、互換性のあるハードウェアコントローラーに自動的に接続されます。この接続により、名前付きパラメーターがページやセクションに整理され、一連のエンコーダー上にある高解像度カラーディスプレイに表示される、分かりやすいマッピングが提供されます。1つのノブに1つの機能が割り当てられるため、事前の設定に悩まされることなく、リアルタイムで直感的な調整が行えます。

従来のMIDIコントロールや旧バージョンのNKSと比べて、NKS 2はどのようにユーザー体験を向上させていますか?
NKS 2は、主に3つの重要な領域で大幅な改善をもたらしています:
1. パラメーターの詳細情報:プラグインのパラメーターには様々な種類があります。トグルスイッチ(例:オン/オフ)、リスト(例:オシレーターの波形)、連続的な値(例:量スライダー/ノブの範囲)などです。パラメーターの種類ごとに、ロータリーエンコーダーやボタンへの単なるマッピングだけでは限界があります。特に、以前の状態を記憶できず、適切なユーザー体験を提供できない場合はなおさらです。
NKS 2では、パラメーター自身がその性質を記述できる機能が追加されました。すべてのNKS 2製品がこれに対応しており、ハードウェアコントローラー側でそのパラメーターが実際には何であるかを認識できます。
例えば、トグルスイッチであればアイコンとして表示され、ノブを左右に回すだけでオン/オフを切り替えられます。波形のリストであれば、ハードウェアコントローラー上にその波形が視覚的に表示されます。このようにして、抽象化の壁を取り払い、バーチャルインストゥルメントを実機のように感じさせるという私たちの目標にまた一歩近づきました。

2. ナビゲーション:NKS 2では、プラグイン側でGroups(グループ)を定義できるようになり、それらがハードウェアコントローラー上の物理ボタンにデフォルトで割り当てられます。

ボタンを押すだけで、シンセのOscillatorやFilterセクション、ピアノのFXセクションなど、特定のパラメーター群のハードウェア操作へ素早く移動できます。複数ページにわたって何百ものパラメーターが存在する製品にとって、これは大きな変革です。また、視覚に障がいをお持ちのユーザーにとっても、製品内をより効率的に移動するための心強い補助となります。
また、NKS 2はプラグインがいつでもメタデータを変更できる仕様に対応しています。多くのプラグインでは、パラメーターが表示または非表示になります(例:スロットへのFXアルゴリズムの読み込みや解除、EQバンドの有効化や無効化など)。プラグイン側でパラメーターが非アクティブだったり非表示だったりする際、ハードウェアコントローラー上に何も機能しないマッピングが何十個も表示されているとストレスになります。NKSはこれに対応し、プラグインがその瞬間に使用可能なパラメーターのみを自動マッピングして表示します。
3. ビジュアル・アイデンティティ:NKS 2では、デバイス上に没入感あふれるプラグインのアートワークを表示できるほか、個々のプラグインのビジュアルブランディングを反映したカスタムパラメーターカラーにも対応しました。
NKSを初めて使う人に向けて、その機能を効果的に活用するためのアドバイスはありますか?
接続して、演奏する。それだけです!実際に試してみるまでは、どれほど快適なのか実感しにくいかもしれません。お使いのMIDIコントローラーが、現在コントロールしているプラグイン専用のスタンドアローン・シンセサイザーやサンプラーキーボードのように感じられるはずです。素早く、そして手触りを感じながらサウンドを追求するのは本当に楽しい体験です。
また、統合されたアルペジエーター、スケール、コードエンジンであるPlay Assistも見逃せません。あらゆるパターンやアイデア、トナリティを自在に試すことができます。
Native Kontrol Standardの今後の展望や、予定されているアップデートについて教えてください。
最も重要な取り組みとして、現在Kontrol S-Series MK3の視覚障がいをお持ちの方に向けたアクセシビリティ対応を進めています。NKSはこのプロセスにおいて極めて大きな役割を果たしています。
また、パラメーターの視覚表示の改善や対応パラメータータイプの拡充など、既存機能の拡張にも取り組んでいます。
さらに、インテリジェントなプリセット提案機能や、製品本体には搭載されていないユニークなランダマイズ機能、より多彩なマルチエクスプレッシブ入力など、これまでにない新たな機能の開発も進めています。
NKSで音楽制作をもっと手軽に
このインタビューを通じて、NKSについての疑問が解消され、NKSバーチャルインストゥルメントを使った音楽制作への期待が高まれば幸いです。NKSの詳細については、NKSパートナー、NKS対応キーボードやMaschineハードウェア、そして製品カタログのNKS対応インストゥルメントをご覧ください。