|Dean Salant

白紙の状態からヒット曲へ:Kontakt最新Toolsガイド

シェア リンクをコピーしました
Kontakt tools featured

まっさらなDAWの画面と向き合うのは、時に気が重くなるものです。トラック制作において、最初の音を打ち込む瞬間こそが最も難しいステップであることも少なくありません。Kontakt 8の新しいToolsは、そうした最初の壁を飛び越え、トラック制作の核心にすぐさま飛び込めるよう開発されました。LeapやアップデートされたKontakt Factory Toolsなどの機能により、まるでクリエイティブな相棒のように機能します。アイデアをひらめかせ、メロディを形作り、これまでにないスピードでアイデアを具現化するサポートをしてくれます。

それでは、Kontakt 8を使ってゼロからトラックを制作するプロセスを見ていきましょう。インスピレーションを得るためのLeapの使い方に加え、KontaktのFactory Toolsについても掘り下げていきます。この記事を読み終える頃には、Kontaktを活用して音楽制作のワークフローをスピードアップし、クオリティを高める方法が身についているはずです。

これらのツールは無料のKontakt Playerでも利用できるため、お使いのKontaktのバージョンにかかわらず、制作においてこれらすべてのパワフルなツールを最大限に活用できます。

セクション一覧:

Kontakt 8や、Komplete Startバンドルに含まれる無料のKontakt Playerを使って、楽曲制作にこれらのツールを取り入れてみましょう。

無料のKontakt Playerを入手

Kontakt 8で使えるKontakt Factory Toolsとは?

Kontaktは常に象徴的なインストゥルメントであり、サンプラーでもありました。フラッグシップシンセであるMassive XやReaktorと並び、プロデューサー、コンポーザー、サウンドデザイナーにとっておなじみの存在であり、その膨大なインストゥルメントライブラリと他社製サポートによって、常に業界標準であり続けています。

しかし今回の最新アップデートにより、Native InstrumentsはKontakt 8を、アイデアを素早く生み出すための本格的なクリエイティブスイートへと進化させました。

かつては主に強力なサンプラーだったKontaktですが、今では楽曲そのものを作曲するための手段として、その新しいクリエイティブ機能を頼りにすることができます。最新アップデートには以下が含まれます:

  • Arpeggiator
  • Chord Builder
  • Chords
  • Humanizer
  • Patterns
  • Phrases
  • Scale Lock
  • Velocity Curve

これらは、Leapと組み合わせることで特に威力を発揮します。Leapはループベースの遊び場として機能する音源です。LeapとFactory Toolsが一体となることで、Kontaktは直感的な制作アシスタントへと進化を遂げました。

Kontakt Toolsの実践

新機能がわかったところで、Kontaktの新しいToolsを使ってトラックを作る具体的な方法を見ていきましょう。

1. Leapで瞬時にインスピレーションを得る

すべてのトラックには出発点が必要です。Leapは、ゼロからの制作で立ち止まってしまう問題を解決する最も簡単な方法です。Leapを使用すると、厳選されたループやサンプルキットをロードし、マクロコントロールでリミックスや変化を加えることができます。ビートをドラッグし、質感を調整し、刺激的なサウンドが見つかるまでランダムなバリエーションを試してみましょう。

まずはドラムキットからトラック制作を始めましょう。ここではModern Soul Kitプリセットを使用します。Drum Breaks Expansionに収録されているものです。

Leap Drum Breaksには、マクロコントロールノブでカスタマイズ可能な多彩なドラムサウンドが揃っています
Leap Drum Breaksには、マクロコントロールノブでカスタマイズ可能な多彩なドラムサウンドが揃っています

キーボードのさまざまなノートを押さえることで、このキットに含まれるすべてのアイデアを試聴できます。

B3のビートサウンドが良い雰囲気なので、これを使ってみましょう。シンプルにスウィングするネオソウルのフィーリングがあり、スタート地点として最適です。

Leapに関する詳しいガイドについては、LeapでExpansionsを使う方法や、Leapで制作を大幅にパワーアップさせる5つの方法についてのブログ記事をご覧ください。

土台が整ったら、次はFactory Toolsを使ってメロディとハーモニーの構築に入りましょう。

2. コードと進行を構築する

楽曲制作において最も難しい要素の1つがハーモニーです。どんなコードを演奏すべきか、どうすれば面白みを持たせられるのか、Kontaktにはコードに特化したToolsが用意されています。

Chords

Chords Toolは、ハーモニーを生成するためのシンプルながら強力な方法です。各プリセットには互いに調和する一連のコードが用意されており、1つのMIDIノートを演奏するだけでトリガーできます。これにより、深い音楽理論の知識がなくても、さまざまなハーモニーのアイデアを驚くほど素早く試すことができます。

Chords ToolのLeadsプリセットには、7つのダイアトニックコードボイシングが用意されています
Chords ToolのLeadsプリセットには、7つのダイアトニックコードボイシングが用意されています

ドラムビートの上に重ねるため、LeadsプリセットをElectric Keys: Phoenixのインスタンスにロードしましょう。

Chords Toolは、このシンプルなMIDIパターンを本格的なコード進行へと変化させます
Chords Toolは、このシンプルなMIDIパターンを本格的なコード進行へと変化させます

響き豊かなコード進行のサウンドは以下のようになります。

Chord Builder

さらに細かくコントロールしたい場合は、Chord Builder Toolを使ってカスタムのコードボイシングを設計し、単一の鍵盤からトリガーできます。トラックにユニークなハーモニーのパレットをもたらすのに最適です。テンションノートや異なる音程を重ねたり、重厚感を出すためにオクターブを追加したり、ジャズにインスパイアされたボイシングを試したりすることができます。

Chord Builder Toolでは高度なハーモニーのカスタマイズが可能です
Chord Builder Toolでは高度なハーモニーのカスタマイズが可能です

今回のトラックではChords Toolで演奏した結果をそのまま使用しますが、特定のボイシングにこだわりたい場合にはChord Builderが力を発揮します。

3. リズムと動きを加える

コードが決まったら、KontaktのArpeggiator、Patterns、Phrases Toolsを使ってリズムと動きを加えていきましょう。

Arpeggiator

Arpeggiatorは、ノートやコードを繰り返しのメロディックなシーケンスへと変換します。コードを弾くだけで流れるようなアルペジオが生成され、DAWのテンポに同期させることができます。ステップの間隔、ベロシティ、スウィングなど、アルペジオのノートに関するあらゆる要素をコントロールできるため、アルペジオメロディのカスタマイズも容易です。

Arpeggiator Toolでカスタムのアルペジオパターンを作成
Arpeggiator Toolでカスタムのアルペジオパターンを作成

Stacksのインスタンスを立ち上げ、Ghostly Tineプリセットを読み込みましょう。次に、コード進行のキー(Eマイナー)に合わせた基本的なノートを入力し、Arpeggiatorに通してみます:

Patterns

Patternsツールは、ステップシーケンサーとアルペジエーターを組み合わせたようなツールです。

カスタマイズ可能な繰り返しのノートパターンを演奏するという点ではArpeggiatorと似ていますが、ポリフォニックパターンを生成できる点が特徴です。

PatternsはKontaktに内蔵されたポリフォニックシーケンサーです
PatternsはKontaktに内蔵されたポリフォニックシーケンサーです

上記とまったく同じノートをPatternsのChord Climbプリセットに通して、どのようなフレーズが生まれるか聴いてみましょう:

Phrases

Phrases Toolを使うと、手動で打ち込むことなく、洗練されたまとまりのあるパートを生成できます。

シンコペーションの効いたメロディセクションを作るために、AxisプリセットをNoireのインスタンスで使用してみましょう:

Phrasesを活用してメロディのアイデアを素早く具現化
Phrasesを活用してメロディのアイデアを素早く具現化

トラックの後半に加えられる、非常に魅力的なメロディが完成しました。

4. 大きな違いを生む繊細なニュアンス

Humanizer

現代の音楽制作におけるリスクの1つは、すべてが完璧すぎて機械的に聴こえてしまうことです。Humanizerは、入力されたMIDIのタイミング、ベロシティ、アーティキュレーションに微妙なニュアンスを加えることで、より「生演奏らしさ」を演出します。

機械的な正確さを適度に崩すことで、生演奏のような自然なニュアンスをパートに加えることができます。

KontaktのHumanizerで、打ち込んだMIDIにリアルな生演奏の質感をプラス
KontaktのHumanizerで、打ち込んだMIDIにリアルな生演奏の質感をプラス

これは小さな工夫ですが、オーガニックな質感が欠かせないジャンルにおいては特に、大きな違いを生み出します。

Scale Lock

Scale Lockを使用すると、演奏したすべてのノートが選択したスケールに自動的に固定されます。これにより、意図しないミスタッチを気にすることなく、素早くメロディを試すことができます。また、馴染みのないモードやキーを探究する際にも最適です。

Scale Lockで特定のキーをキープ
Scale Lockで特定のキーをキープ

ここでは、キーを外すことなくHumanizerのPitchコントロールでランダムさを加えたいとします。Scale Lockを使えば、トリガーされるすべてのノートが、予期せぬものであっても確実にEマイナー・ペンタトニックスケール内に収まります。

Velocity Curve

Velocity Curveツールを使用すると、演奏のダイナミクスに対するKontaktのレスポンスを再調整できます。ソフトなタッチでの感度を高めたい場合や、強く叩いたときのレスポンスをよりパンチのあるものにしたい場合など、プレイスタイルに合わせてカーブを調整できます。これもインストゥルメントの表現力を高める繊細な手法の1つです。

Velocity CurveでKontaktのプレイバックレスポンスをさらに細かく調整
Velocity CurveでKontaktのプレイバックレスポンスをさらに細かく調整

今回はこれら3つのツールをすべてベースラインに適用します。このベースラインはScarbee Sun Bass – Fingerで演奏され、Guitar Rig 7 Proでアンプ処理されています。

ここでは控えめにToolsを使用していますが、通常のMIDIノートだけでは決して得られない躍動感をベースラインにもたらしています。

5. すべてを組み合わせる

ここまでに、Leapでインスピレーションを刺激し、Chordsでコード進行を構築し、ArpeggiatorとPatternsでリズミカルな動きを加え、Humanizerでオーガニックな質感を導入し、Scale LockとVelocity Curveで表現力を磨き上げました。

こうして、すべてKontakt内で完結しながら、非常にスピーディーにトラックを仕上げることができました。

Kontakt Factory Toolsのそれぞれが、クリエイティブなプロセスを前進させ続けます。音楽理論や細かな打ち込み作業、技術的な壁に頭を悩ませることなく、純粋な楽曲制作に集中できます。

Kontakt Factory Toolsを作曲のパートナーに

DAWの何もない空白の画面に圧倒される必要はありません。Kontakt Toolsを活用して、直感的で刺激的なプロセスに変えましょう。Leapと拡張されたFactory Toolsを組み合わせることで、すばやくアイデアを生み出し、自由に実験し、細部にとらわれることなく楽曲にプロフェッショナルな磨きをかけることができます。

Kontakt 8には、DAWを開いた瞬間からトラック制作をスタートできるToolsが揃っています。Kontaktを起動し、Leapを読み込んで、Factory Toolsの導きとともに、何もない状態から最高のヒットトラックを生み出しましょう。

無料のKontakt Playerを入手

関連製品