|Sara Simms

トップ1%のプロデューサーに学ぶサンプル・フリップ術

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how to flip samples featured

音楽制作の世界において、自分だけのシグネチャーサウンドを生み出す秘訣のひとつがサンプルのフリップ(sample flipping)にあります。多くのプロデューサーがサンプルをチョップ(細かく切り分ける作業)していますが、トップクラスのプロデューサーはクリエイティブなサンプリング手法を駆使して、真に独創的なサウンドを作り出しています。サンプルのチョップとは、サンプルを細かく切り分けるプロセスのことですが、サンプルのフリップは、サンプルを取り込んで加工・再構築し、まったく新しい音楽的アイデアを生み出すという、より広義なテクニックを指します。この記事では、Native Instrumentsの360 Plusに含まれる製品を活用して、サンプルをインスピレーションあふれるサウンドへと変貌させ、次のトラックやリミックスで使える唯一無二のエレメントを作成する方法をご紹介します。

目次:

このチュートリアルに沿って、360 Plusサブスクリプションでご自身のサンプルをフリップしてみましょう。

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サンプル・フリップの手法

Battery 4、Transient Master、Guitar Rig 7、Massive X、そしてRaumを使ったサンプル・フリップの手法を見ていきましょう。

Battery 4でループをチョップ

ループのチョップは、音楽制作ワークフローにおいて今なお非常に有用なテクニックです。Battery 4を使えば、BatteryのSample Editorでサンプル範囲を手動で設定できます。まずはBattery 4にループを読み込みましょう。コンピューターのファイルブラウザーから任意のオーディオファイルをBatteryの空のセルにドラッグします。サンプルが入ったセルを選択し、Batteryウィンドウ下部のEditorタブをクリックしてSample Editorに入ります。Waveform Controlエリアにサンプルの波形が表示されます。サンプルの開始・終了マーカー(「S」および「E」)を調整して、サンプルのごく一部のセクションを再生するように設定しましょう。

NI キット 01

最初のセルを新しいパッドにコピーし、ループの開始位置と終了マーカーを調整して、2つ目のセルで別のセクションが再生されるようにします。

セルのコピー

ループをコピーし、新しいセルに貼り付け、再生するループのセクションを調整する手順を繰り返します。

セル 2

File > Save Kit asをクリックし、キットに名前を付けてBatteryでドラムキットを保存します。次に、MIDIコントローラーを使ってこのドラムキットでMIDIパターンを録音しましょう。チョップしたサンプルの各セクションに対応するパッドを叩いて、サンプルを新たな方法で演奏します。ループを録音し、DAWからバウンスしてエクスポートすれば、セッション内で自由に活用できます。

キットの保存

Transient Masterでサンプルを音作り

Transient Masterは、オーディオ信号のアタック初期やサステインをシェイピングできるダイナミクス・プロセッサーです。Transient Masterを使ってサンプルにパンチを加えたり、サステインを抑えて音のディケイや余韻を短くすることで、全体のリズムをタイトに引き締めたりできます。まずは、サンプルパックなどに入っているキックドラムのサンプルから始めてみましょう。

Transient Masterで、Attackノブを右に20%〜30%ほど回し、音の立ち上がりであるトランジェントを強調します。

Transient 30

よりアグレッシブなサウンドにしたい場合は、Attackを70%まで上げてみましょう。

Sustainを下げて音の余韻のレベルを抑えてみてください。これによりサンプルが再成形され、トランジェントが際立つスペースが生まれます。

Sustainを下げる

個別のサンプルやトップループのサステインを下げてみましょう。サステインを徐々に下げていくことで、レゾナンスや部屋の鳴り(ルームサウンド)、長いリバーブ成分を取り除くことができます。

Sustainを下げる

アタックがはっきりしたキックドラムを加え、Transient Masterで両方のサウンドを整えることで、グルーヴがどれほどタイトになるかを聴いてみましょう。

Guitar Rig 7でエフェクトを追加

サンプルにクリエイティブなエフェクトを加えるなら、Guitar Rig 7が最適です。Guitar Rigはギターの処理に使われるのが一般的ですが、あらゆるオーディオサンプルに多彩で斬新なエフェクトを付加するためにも活用できます。

Guitar Rig 7を使ってボーカルサンプルを処理してみましょう。まずはドライなボーカルサンプルを用意します。

8 bit raum

バスを作成し、そこにGuitar Rigをインサートします。バスチャンネルにGuitar Rigを追加することで、ボーカルをエフェクトに送る量を柔軟にコントロールできるようになります。FX Typesセクションで、DistortionとBitcrusherを選択します。数ある素晴らしいサウンドの中から好みのものを1つ選び、ボーカルチャンネルのSendを上げてGuitar Rig 7のバスに信号を送りましょう。

次に、Guitar RigのModulationセクションを見ていきましょう。シンセループのような、シンプルなドライサンプルを選びます。

シンセ

オーディオトラックにGuitar Rig 7をインサートし、FX TypesセクションでModulation、そしてChorusへと進みます。まずは利用可能なプリセットをスクロールして、「Beautiful Vintage Vibrato」やトラックに合いそうなお好みのプリセットを試してみてください。各プリセットはエフェクトチェーンで構成されており、そのまま使用することも、微調整してカスタマイズし保存することも可能です。

Guitar Rig Pro Beautiful Vintage Vibes

エフェクトをオーディオに定着(プリント)させるには、Chorusがかかったシンセサウンドをバウンスして書き出し、次のトラックで活用しましょう。

Massive Xでレイヤーされたサブベースを作成

Massive Xのノイズオシレーターにサンプルを読み込むことで、フィルター、モジュレーター、エフェクトを駆使した独自のサウンドデザイン処理を体験できます。加工したサイン波のサンプルを使ってサブベースの音を作り、さらにサブベースのオーディオサンプルとレイヤーして、厚みのある低域の土台を構築してみましょう。ヘッダーセクションのMassive Xロゴの隣にあるドロップダウンメニューをクリックし、Show User Content Folderを選択して、Massive Xのノイズオシレーターにサンプルをインポートします。該当のフォルダーを開き、サイン波のサンプルファイルをそこにコピーしてください。

Massive Xに戻り、同じ設定メニューからRescan Contentを選択します。これで、Noiseプレイヤーのメニュー内にある「User」カテゴリーからサンプルが利用可能になります。

Massive X User Content

Noisetableセクションで、Noisetable 1、Userの順にクリックし、ご自身のサンプルを選択します。Noisetable 1のレベルスライダーを調整して、ミックスされるノイズの音量を調整しましょう。

Noisetable

Filterセクション(Noiseの右側に配置)をオンにし、ローパスフィルターであるAsimovフィルターを選択します。200 Hz以下の低域をフィルターでカットします。

Stereo Effectsセクション(X、Y、Zのラベル付き)でXをオンにし、Reverbを選択します。Sizeを70%まで上げてください。最後に、Massive Xのモジュレーションセクションを使ってサイン波レイヤーをシェイピングし、Decayを約4.25 ms、Releaseを10 s前後までわずかに伸ばします。

サウンドプロセッシング

空のMIDIクリップを作成し、各サブベースの音符に合わせてMIDIノートを追加します。その際、サブベースサンプルの元のキー(調)を確認しておくのを忘れないようにしましょう。

サブベース

オーディオトラックを作成し、MIDIサイン波レイヤーと同じキーのサブベースサンプルを追加します。2つのサンプルの開始と終了のタイミングが揃うように調整しましょう。この2つのレイヤーをグループ化してイコライザーを適用し、ローパスフィルターを使って200 Hz以上の周波数をすべてカットします。

まとめたベーストラックを1つのオーディオファイルにバウンスし、定番のローエンド用サンプルとして保存しておきましょう。

グループ化したベース

この方法の別アプローチとして、Massive Xにはサブベースの追加に使えるインサートオシレーターが備わっています。サイン波を追加するには、Insert FXスロット1に移動してInsert Oscを選択し、サイン波を選びます。

Massive Xでのサイン波

Raumを使ったアンビエンスの作成

まずはトラックのキーに合わせたサンプルを用意しましょう。ボーカルループ、シンセパート、パーカッションループのいずれでも構いません。ボーカルパートを使用する場合は、お気に入りのセクションを切り出してコピー&ペーストし、一定のパターンで繰り返して8小節のループを作成します。

ボーカル

オーディオトラックにRaumをインサートし、Freeze機能を備えたGroundedモードまたはAiryモードを選択します。Predelayを約37 msに設定しましょう。SizeとDecayタイムを上げ、MixとReverbの量を増やします。雪の結晶ボタンを押してRaumをフリーズさせます。最後に、Low Cutフィルターをお好みに応じて調整し(この例では-16 dB)、High Cutフィルターを約10 kHzに設定します。

Raum

新しいオーディオトラックを作成し、Raumをインサートしたトラックからのオーディオをその新規トラックにルーティングします。そして、Raumがかかったトラックの音を新規トラックに録音しましょう。

トラックのルーティング

アンビエンスの質感をさらに整えるには、トラックにイコライザーを追加し、ローパス/ハイパスフィルターを使って低域と高域をカットします。また、iZotope Imagerのようなステレオワイドニングプラグインを追加して、アンビエンスのステレオ感を広げましょう。こちらが完成したアンビエンスサウンドです。

自分だけのサンプルを今すぐフリップ

トッププロデューサーたちからインスピレーションを得た、真にユニークなサウンドデザインへの鍵は、単なるサンプルのチョップにとどまらないことです。Native Instruments 360 Plusスイートの先進的な機能を活用すれば、クリエイティブなサンプルフリップのテクニックを駆使して、オーディオソースを劇的に変貌させることができます。

NIのツールを活用したこれらの手法により、オリジナルの音響要素を生み出し、サンプルをプロクオリティのトラック制作に欠かせない個性的なサウンドへと進化させることができます。今こそサンプルのトランスフォームを始めましょう。360 Plusのツールを今すぐチェックして、オリジナルのサウンドを構築してください。

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