|Dean Salant

6/8拍子とは?

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What is the 6/8 time signature?

楽曲のリズムの雰囲気は、拍子記号によって大きく決まります。4/4拍子はあまりにも一般的なため、世の中にはそれしかないと思い込んでしまうかもしれません。しかし、ある曲を聴いて「何かが違うけれど言葉にできない」と感じたとき、その理由の正体は拍子記号かもしれません。

6/8拍子は、4/4拍子とは異なるリズムの骨組みをもたらします。今回は、6/8拍子の特徴やカウントの取り方を探り、実際の活用例を聴いてみましょう。一味違った楽曲を作りたい作曲家やビートメイカーにとって、6/8拍子の音楽を理解することは大いに役立つはずです。

目次:

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6/8拍子の基礎知識

6/8拍子の詳細に入る前に、まずは一歩引いて、拍子記号の基本的な概念を整理しておきましょう。

拍子記号とは?

拍子記号とは、楽曲内の拍(ビート)を整理し、区切るための表記法です。拍子記号を見ることで、以下の2つの重要な情報がわかります:

  1. 基準となる音価(音符の種類)
  2. 1小節の中にその音価がいくつ含まれるか

楽譜上では、拍子記号は次のように表示されます:

楽譜上の6/8拍子記号は分数のように表記されます。
楽譜上の6/8拍子記号は分数のように表記されます。

下の数字は基準となる音価を示し、上の数字は1小節の中にそれがいくつ入るかを表しています。

6/8拍子を理解するには拍子記号の基本を押さえておくことが重要ですので、さらに詳しく知りたい方は拍子記号に関するガイド記事をご覧ください。

6/8拍子と他の拍子記号の違い

6/8拍子の拍のグループ分けは、3/4拍子や4/4拍子など他の拍子記号とは一線を画しています。

6/8拍子は「複合拍子(compound meter)」と呼ばれ、拍が3つずつのグループに細分化されていることを意味します。拍子記号の「6」は1小節に6つの拍があることを示し、「8」は基準となる音価が8分音符であることを示しています。これにより、うねるような、あるいは軽快に弾むような独特のノリが生まれます。

6/8拍子と3/4拍子は同じ拍子記号なのかと混同してしまう人も少なくありません。もしそう感じていたとしても、心配はいりません。よくある疑問ですが、理解するのはそれほど難しくありません。

混同してしまう理由は、数学的に見れば4分音符3つと8分音符6つの長さが同じだからでしょう。しかし、決定的な違いはそのグループ分けの方法にあります。

3/4拍子は1小節に4分音符3つがひとつのセットとしてグループ化されており、「1・2・3」というワルツのようなリズムを生み出します。一方、6/8拍子は1小節の中に8分音符3つずつのセットが2つ(または付点4分音符2つ)で構成されています。だからこそ「複合拍子」と呼ばれるのです。この拍のグループ分けの違いこそが両者を区別する要素であり、聴こえ方の違いを生み出しています。

その違いをさらに深く理解したい方は、こちらの動画をご覧ください:

遅いテンポでは、6/8拍子は穏やかで内省的な響きとなり、バラードやエモーショナルな楽曲でよく使われます。一方、テンポを上げると、エネルギッシュで推進力のあるキャラクターへと変化します。多様なムードやスタイル、リズムに適応させることができる、非常に汎用性の高い拍子記号です。

6/8拍子のカウントと演奏

6/8拍子でカウントを取るには、小節内の細分化を理解する必要があります。各小節には6つの8分音符が含まれますが、前述の通りこれらは2つのグループに分けられます。そのため、基本となる拍は2つになります:

「1-and-a、2-and-a」

その内訳は次の通りです:

  • 「1」と「2」:通常アクセントが置かれるメインの拍
  • 「and-a」:リズムの流れを維持する各メイン拍の細分化
  • 「1-and-a」:1、2、3のカウントを表す
  • 「2-and-a」:4、5、6のカウントを表す

1小節に2つの強い拍があり、それぞれの拍の中に「3連符のフィール」があるという、根底にあるパルス(鼓動)に意識を向けるとわかりやすいでしょう。

6/8拍子で演奏するには:

まずは2つのメイン拍(1と2)を感じることから始めます。

次に、各カウントの間に「and-a」を加えていきます。

この典型的な6/8拍子のドラムビートでは、1拍目と2拍目にキックとスネアのアクセントを置き、その間のカウントでハイハットを刻みます。

DAWでの6/8拍子

DAWで新規セッションを開くと、初期設定では大抵4/4拍子になっています。6/8拍子で制作を始めるには、まず拍子記号を変更する必要があります。この設定項目は通常、画面上部付近や録音コントロールの近くに配置されています。

お使いのDAWで拍子記号を変更する場所。
お使いのDAWで拍子記号を変更する場所。

Mallet Fluxなどの一部のサンプルライブラリには、プリセットを拍子記号ごとにソートする機能も備わっています。ここでは変拍子でソートすることができ、この例では6/8拍子も含まれています:

一部のライブラリにある拍子ソート機能を使えば、6/8拍子のループやサンプルを見つけることができます。
一部のライブラリにある拍子ソート機能を使えば、6/8拍子のループやサンプルを見つけることができます。

6/8拍子の主な活用法

6/8拍子がよく用いられる代表的なアプローチを見てみましょう:

1. 動きと流動性を生み出す

先ほど触れたように、6/8拍子の最大の特徴は、6つの8分音符を3つずつの2グループにまとめることで生まれるうねるようなリズムです。この動きは前方へ進むような推進力を感じさせ、躍動感を演出したい楽曲に最適な拍子となります。この途切れることのないうねりのあるサウンドは、Frank Oceanの「Pink + White」で聴くことができます:

2. 感情を揺さぶるパワフルな音楽

6/8拍子は、楽曲に壮大で感動的な雰囲気をもたらすために使われることもあります。メイン拍のアクセントが生み出す自然な抑揚は、どこか壮大で映画のようなスケール感を与えてくれます。特定のアイコニックな名曲で使われているからこそ、そうした印象を抱くのかもしれませんが、6/8拍子がこのような効果を抜群に発揮することは間違いありません。Queenの名アンセム「We Are The Champions」を聴いて、その実例を確かめてみましょう。

3. 歌詞の言葉を引き立てる

6/8拍子は、ボーカルメロディに語りかけるような自然さや流れるような心地よさを与えるのに役立ちます。各拍の細分化によって、歌詞に異なる「プロソディ(詩や作詞における言葉のリズム)」をもたらすことができます。これにより、例えば4/4拍子の楽曲とは異なる方法で歌詞のフレーズを伸縮させることが可能になります。ボーカルを重視するR&Bでこの拍子がよく好まれるのも、これが理由かもしれません。Ariana Grandeの「Dangerous Woman」でその効果を聴いてみましょう:

4. ダンスミュージック

6/8拍子は、そのリズムが振り付けに安定したペースを提供するため、伝統的なダンスミュージックと深く結びついています。アイリッシュ・ジグのような伝統舞踊は、6/8拍子の音楽に合わせて踊られることがよくあります。以下のアイリッシュダンス・メドレーで、6/8拍子のダンスミュージックの好例を聴くことができます:

5. 映画やゲームの劇伴

一般的な4/4拍子を避けたい場合、6/8拍子は劇伴(劇中音楽)の作曲にも最適です。うねりのある複合リズムが躍動感を生み出し、「3つずつの2グループ」という構造がストーリーテリングにふさわしい流れるような質感をもたらしてくれます。

Baldur’s Gate 3 Original Soundtrackに収録されたBorislav Slavovの代表曲「Who Are You」で、その響きを体感できます:

6/8拍子での作曲を始めよう

いつも4/4拍子ばかりで曲を作ってしまうという罠には、誰しも陥りがちです。もちろん4/4拍子にも素晴らしい魅力があります。しかし、新しい拍子記号へと知識を広げることで、作曲家やビートメイカーとして表現の幅を大きく広げることができます。6/8拍子には独特の響きがあり、それを理解すれば、特有のうねるようなリズムを活かしたトラックを作れるようになります。今すぐ無料のKomplete Startでセッションを立ち上げ、6/8拍子の実験を始めてみましょう。

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