|Dean Salant

ボイスリーディングとは?滑らかで美しいコード進行を作る方法

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What is voice leading

現代の作曲家、プロデューサー、ビートメイカーにとって、クラシック音楽は必ずしも身近な存在ではないかもしれません。保守的で時代遅れなスタイルだと捉えている方もいるでしょう。しかし、クラシック音楽には時代を超越した作曲の知恵が詰まっています。そこから学べる貴重な教訓の1つが「ボイスリーディング(声部連結)」の原理です。これは和声進行において、各声部間のスムーズで一貫した動きを作り出す技術を指します。この作曲原理を理解することで、コード間を滑らかに移行し、メロディの自然な流れを支えることができるようになります。

作曲のスキルを一段階引き上げたいなら、ぜひこの記事を読み進めて、ボイスリーディングの技術と滑らかなコード進行の作り方をマスターしましょう。

セクション一覧:

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ボイスリーディングとは?

音楽におけるボイスリーディングとは、コード間を移行する際に各声部の構成音がどのように動くかを指します。あるコードから次のコードへと移る際、可能な限り滑らかな変化を生み出すように各音を進行させる技術のことです。ボイスリーディングを意識して作曲することで、コード間の不自然な跳躍やバラバラな動きを最小限に抑え、心地よく自然な音の流れを作り出すことができます。

実際にボイスリーディングが効果的に使われている好例を聴いてみましょう。Max Richterの代表作「On The Nature Of Daylight」でその響きを確認できます。

この楽曲全体を通して、Richterは段階的なコードの移行を用いており、それが滑らかなボイスリーディングによって支えられています。コード進行における声部の一貫性が楽曲の感情的な深みを一層際立たせ、聴く人をその滑らかな流れに引き込みます。

優れたボイスリーディングとは、本質的にあるコードから次のコードへの滑らかな動きのことです。ボイスリーディングが不十分で、音が飛び跳ねているように聴こえるこちらの例と:

適切なボイスリーディングを用いてまとまりのある響きを持つこちらの例との違いを聴き比べてみてください:

ボイスリーディングの手法とは?

ボイスリーディングは、楽曲の中でコード間のスムーズな移行を確実にするためのアプローチです。ボイスリーディングを実践する際には、いくつかの「ベストプラクティス」と呼べる手法があります。主な手法は以下の通りです:

  • コードの動きにおける声部を理解する
  • コードトーンを分析する
  • 音の移動を最小限に抑える
  • 並行進行を避ける

これらの手法を実践する具体的な方法については、この後詳しく解説します。

ボイスリーディングの実践と滑らかなコードの動きの作り方

ボイスリーディングの実践的なステップに進む前に、理解しておくべき基本的な理論コンセプトがいくつかあります。ここでは、読者の皆さんが音楽理論の基礎をある程度理解していることを前提として進めます。もし自信がない場合でも心配いりません。まずは音楽理論に関する記事をチェックしてから戻ってきてください。

ボイスリーディングはコード間の滑らかな移行を重視するため、必要とされる知識は主に和声の原理に関するものです。ハーモニーとボイスリーディングは密接に関係しています。コードとは何か、キー(調)とは何かを理解していれば、優れたボイスリーディングを取り入れたコード進行を作る準備は万全です。

本題に入る前にもう1点触れておきたいのが、音程(インターバル)の概念です。インターバルとは2音間の距離のことです。インターバルは半音の数による距離だけでなく、その「性質」(短、長、完全、増、減)に基づいて分類されます。後ほど詳しく見ていきますが、インターバルはボイスリーディングにおいて非常に重要です。特に完全1度(ユニゾン)、完全5度、オクターブに注目しながら、以下の音程表を確認しておきましょう:

様々な音程とその関係を解説する表
様々な音程とその関係を解説する表

ボイスリーディングの基本原則

理論の基礎を押さえたところで、優れたボイスリーディングを作るための実践的な方法を見ていきましょう。以降の例では、非常によく使われるコード進行「vi - IV - I - V」(Aマイナー – Fメジャー – Cメジャー – Gメジャー)を使用します。

1. コード進行内の声部を把握する

効果的なボイスリーディングを書くためにまず行うべきなのは、扱うコード進行を理解することです。前述の通り、ここでは「vi - IV - I - V」のコード進行を使用します。この進行を選んだ理由は、各ルート音と五度圏(サークル・オブ・フィフス)の関係性により、優れたボイスリーディングを作りやすいためです。

ピアノロール上のCメジャーにおけるvi-IV-I-V進行
ピアノロール上のCメジャーにおけるvi-IV-I-V進行

ただし、進行そのもの以上に、コードに対する認識を少し変える必要があります。具体的には、すべてのコードトーンを個別の「声部(ボイス)」として捉えることです。上記のコードを「縦方向」に見ると、いくつかの音が積み重なっているのが分かります。それが異なるコードで4回繰り返されています。しかし、発想を転換して、コードの各構成音を「横方向」に動く独自のメロディとして捉えることで、ボイスリーディングを理解する最初の扉が開かれます。

分かりやすくするために、コードの最上音をVoice 1、その下をVoice 2、さらにその下をVoice 3、一番下の音をVoice 4と呼ぶことにしましょう。

コード内の異なる声部
コード内の異なる声部

2. コードトーンを分析する

次に行うべきステップは、コードトーンの把握です。使用しているすべてのコードのルート音、3度、5度を確認し、コード間で共通する音があるかどうかを見てみましょう。どの調(キー)にも7つの音しか存在しないため、ダイアトニックコード進行であれば共通のコードトーンが存在する可能性が極めて高くなります。

進行内のコードトーンを示す表
進行内のコードトーンを示す表

この表では、進行の中で複数回登場するコードトーンをハイライト表示しています。これは次のステップで非常に重要となる情報です。

3. 音の移動を最小限に抑えて滑らかな動きを作る

心地よく効果的なボイスリーディングを作るための中心原則は、すべての声部が美しく書かれた個別のメロディラインであるべきだということです。優れたメロディには通常、大きなインターバルの跳躍が含まれないことが多いため、ボイスリーディングでも同じ考え方を適用します。

一般的に、コード間で共通する音は同じ声部にそのまま残しておくのが確実です。同じ音を維持できない場合は、跳躍進行よりも常に順次進行が好まれます。「順次進行」とは、(6度のような)大きなインターバルの跳躍ではなく、全音または半音の距離で移動することを指します。大きな跳躍が許容される唯一の声部はベース(Voice 4)です。

コードは必ずしも下から上へ昇順に並べる必要はありません。C、E、Gの音がコード内に含まれていれば、それはCメジャーコードです。G、C、Eという順番で音を配置しても、Cメジャーコードであることに変わりはありません。

それでは、可能な限り共通するコードトーンを維持し、それ以外の音は順次進行を使いながら、今回のコード進行を進めてみましょう。

コード進行内で共通のコードトーンを維持する
コード進行内で共通のコードトーンを維持する

各声部の動きを分析してみましょう:

  • Voice 1はほぼ全体を通してCにとどまり、最後のコードで順次進行によりBへと下がります。
  • Voice 2は前半でAにとどまり、後半では順次進行でGへと移動します。
  • Voice 3はコード進行全体で順次進行を使用し、音の動きを最小限に抑えています。
  • ここでのVoice 4はベースとして機能しているため、各ルート音の移動において大きな跳躍が認められます。

つまり、ボイスリーディングの原則に従ってこれらのコードの転回形が選択されているのです。

4. 並行進行を避ける

「並行進行(パラレルモーション)」とは、2つの声部が同じ方向に移動し、同じ音程(インターバル)を保ち続けることを指します。特に避けるべき主な音程はオクターブと5度(平行5度・平行オクターブ)です。

(念のため補足しておくと、これらの原則は西洋音楽理論に基づくものです。非西洋音楽の作曲アプローチでは並行和声が頻繁に用いられますし、ロックミュージックでも平行5度は常に多用されています)。

コードIからコードVへの移行を見てみましょう(今回は3声部で説明します):

不適切なボイスリーディングによるコードIからコードVへの移行
不適切なボイスリーディングによるコードIからコードVへの移行

この例では、Voice 1とVoice 3のCとG(5度離れた関係)が、次のコードでGとD(これも5度離れた関係)へと跳躍しているのが分かります。分かりやすくするために、Voice 1とVoice 3の音を黄色でハイライトしてみましょう:

Voice 1とVoice 3における平行5度の動き
Voice 1とVoice 3における平行5度の動き

これにより平行5度(連続5度)が生じます。実際のサウンドを聴いてみましょう:

このような動きは簡単に回避できます。各声部を慎重に考慮し、適切な順序でコードトーンを転回させることで、心地よいボイスリーディングを作ることができます。

Iのコードにおいて、Voice 3のCをVoice 1へと移動させます。そして次のコードでは、DをVoice 3へと下げます。そうすると次のようになります:

Voice 1とVoice 3の音を転回
Voice 1とVoice 3の音を転回

そして、このように一層滑らかなサウンドになります:

外声部において、依然として一種の並行進行が見られることにお気づきかもしれません。しかし、声部間のインターバルが5度ではなくなっているため、これは問題ありません。避けられない場合、ボイスリーディングにおいて平行6度を含めることはまったく差し支えありません。

5. さまざまなコード進行で練習を重ねる

ここでは1つのコード進行のみを取り上げましたが、ご自身が気に入ったあらゆるコード進行でこれらの原則を練習してみましょう。ここで解説したボイスリーディングのルールは、他のあらゆるメジャーやマイナーのコード進行にも同様に適用できます。

多様なコンテクストで試せば試すほど、スキルは上達します。モーダル・インターチェンジやノンダイアトニック音を取り入れると複雑になる場合がありますが、これらの原則を念頭に置いておくことで、ボイスリーディングのクオリティは格段に向上します。

コード進行でボイスリーディングを実践

適切なコンテクストにおいて、ボイスリーディングはアマチュアの楽曲と真に人を惹きつける楽曲を分ける重要なコンセプトの1つです。ここで学んだボイスリーディングの手法を取り入れることで、コードトーンの魅力を最大限に引き出し、滑らかな移行と和声的一貫性を実現できます。お好みのDAWでKontaktを立ち上げ、Komplete Startを使ってこれらのアイデアをぜひ試してみてください。

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