アトランタを拠点にするプロデューサーでありMC、そしてバイラルヒットの立役者でもあるSporty-Oにとって、エネルギッシュな音楽はお手の物です。しかし、ニューシングル「Blue Lights」と近日リリース予定のEP『Symphonic Resistance』で彼は、持ち前のブレイクビーツとUKガラージを融合させたアティチュードに、クラブ仕様の楽曲構成とKompleteがもたらす創造性を掛け合わせ、その勢いをより深みのあるものへと昇華させています。
彼の楽曲はTikTokでも定期的にバイラル化しており、F1のようなブランドや、Marshmello、Charli D’amelio、Joe Jonas、Jason Deruloといったインフルエンサーたちが彼の楽曲を使った動画は50万本を超え、再生回数は10億回以上を記録しています。Komplete、特にKontaktとMassive Xを活用することで、彼は単調なループから抜け出し、タイトなアレンジを維持しながら、15秒のスクロールの枠をはるかに超えて響くコントラストと重厚感をトラックに吹き込んでいます。
今回のインタビューでは、現在のワークフローにおけるKompleteの活用法や、バイラルヒットをいかに次の展開へと繋げているのか、そして人々の集中力がかつてないほど短くなっている時代において、重厚なアプローチを維持することの意味について語ってくれました。
各セクションへジャンプ:
- 15秒のループをフル尺トラックへと発展させる方法
- トラックに展開を生み出し続けるKontaktのサンプリング術
- 『Symphonic Resistance』を支えるKompleteのエフェクトとシンセ
- 今なおトラックを決定づける「ドロップ」の重要性
- コンテンツ制作とスタジオワークを両立させるヒント
本編に入る前に、プロクオリティのインストゥルメント、サウンド、エフェクトを収録した無料のKomplete Startバンドルを使って、本記事で紹介するテクニックをぜひ試してみてください。
15秒のアイデアのエネルギーを保ちながら、フル尺の楽曲へと展開させるには?
僕にとって、エネルギーを生み出してそれを維持することは、すべてコントラストにかかっています。曲を大きく変化させ、「サプライズ」や劇的な変化をもたらすセクションを用意することが、「良い」曲を「素晴らしい」曲へと押し上げる秘訣だと考えています。

最初のアイデアが浮かんだら、同じ要素を一部使いながら全体のまとまりを保ちつつ、そのアイデアから後続のセクションを展開させていきます。
Sporty-Oからのプロのアドバイス:エディットを活用してトラックにスパイスを加えましょう。あるセクションから別のセクションへただなんとなく流れてしまうのは避けるべきです。ポーズ(一時停止)やドロップアウト、ドラムフィルを使ってフレーズを締めくくることで、次のパートへの期待感を高めることができます。
ループが単調になってきたと感じたとき、Kontaktでよく使う定番の手法は?
使っているループが単調すぎると感じていて、それがオーディオループではない場合、僕の定番の手法はまずそのループをいくつかのセクションに細かく切り分けることです。
次にKontaktのインスタンスを立ち上げ、サンプルの最初のセクションをドラッグしてキーボード上にマッピングします。このプロセスを繰り返して、セクションごとにKontaktの新しいインスタンスを立ち上げ、それぞれ個別のチャンネルに割り当てます。
そしてMIDIリージョンを使って各セクションをトリガーすれば、オーディオを編集するのと同じ感覚でMIDIを介してループを再構築できます。これにより、ループがまったく新しいフィーリングに生まれ変わります。
Sporty-Oからのプロのアドバイス:Kontaktでパッチを順番に試すときは、リフをあらかじめ打ち込んで短いループを設定しておきましょう。1つ選んで鍵盤を押すのではなく、ループ再生させながらパッチを切り替えていくのです。これなら素早くプレビューでき、自分が作ったリフで音を確認できます。
『Symphonic Resistance』で最も活躍したKompleteのシンセやサンプラーは?
Kompleteではシンセ以上に、RaumやBite、Choral、Dirtなどのエフェクトを多用したと言えますが、シンセもいくつか使いました。Kontaktは常に僕の定番です。

本作に限らずすべてのプロジェクトでKontaktは何度も使っていますが、Massive Xも使いました。あのシンセで生み出せるアナログ回路特有のサウンドにすっかり夢中なんです。
Sporty-Oからのプロのアドバイス:とにかくレイヤーを重ねること。極めて複雑で太いシンセやベースを作るには、いくら重ねても重ねすぎるということは(ほぼ)ありません。理想のサウンドに仕上がるまで、シンセのインスタンスを4〜6個重ねることもよくあります。
人々の集中力がかつてないほど短くなっている今、あなたにとって「ドロップ」はどんな意味を持っていますか?
僕にとって「ドロップ」とは、ビルドアップの後にエネルギーが最高潮に達するセクションであり、最初の質問の答えに戻ると、期待されていたコントラストを放つ瞬間でもあります。フロアを満杯にし、圧倒的なエネルギーと素晴らしいヴァイブスを生み出すものでなければなりません。

そして個人的には、楽曲の中で最もユニークなパートであるべきだとも思っています。僕にとって「ドロップ」こそが、今でもダンスミュージックの本質です。
ショート動画向けの制作から学んだことで、フル尺のトラック制作に役立っているヒントは?
ショート動画のフォーマットは素晴らしいです。ダンスミュージックでは、そのトラックのエネルギーやストーリーを1分という短い時間枠の中でしっかりと伝えたいからです。

それ以外の部分は、結局のところDJミックスの出入り(ミックスイン/ミックスアウト)のためのものですから。つまりショート動画の尺では、曲の最も重要で美味しい核となる部分だけを凝縮して作ることになります。ショートの尺をしっかりと形にできれば、残りの作業は簡単です。
Sporty-Oからのプロのアドバイス:同じ周波数帯域で複数のサウンドが衝突し合わないように注意しましょう。EQはあなたの最高の相棒です。
コンテンツ制作と楽曲制作を両立する中で、充実したスタジオの1日とはどのようなものですか?
スタジオで制作する日の理想的なスタートは、まずジムに行くことです。体内のエネルギーが巡り始めると、心と体が一体になった感覚が得られます。今では一日の早い時間帯にスタジオで作業するのが好きですね。

若くて経験が浅かった頃は、伝説的なラップスターやロックスターのように、深夜こそが音楽的なインスピレーションを得て盛り上がれる唯一の時間だと思い込んでいました。年齢を重ねて経験を積んだ今では、ワークアウトをこなしてシャワーを浴びた後の日中にスタジオに入る方が、最高のクリエイティブを発揮できると実感しています。
Sporty-Oからのプロのアドバイス:音楽理論の教育を受けていなくても複雑なコードを作りたいなら、まずは単音でシンプルなリフを打ち込んでみましょう。次に、各音の上に2〜3音離れた音を重ね、さらに3つ目の音も同じように重ねていきます。耳で聴いて心地よいと感じるか確かめてください。多くの人が思うよりもずっと簡単です。リフを作るのにクラシックの専門教育を受けている必要はありません。

まとめ
自身のサウンドの進化にKompleteがどのように貢献しているかを明かしてくれたSporty-Oに感謝します。Kontaktでループを細かくスライスすることであれ、複数のシンセをレイヤーして壮大なアイデアへと昇華させることであれ、彼の制作アプローチの根底にあるのは、フル尺の楽曲へと拡張する際にもあの生々しいエネルギーを損なわないことにあります。
コンテンツが絶え間なく溢れ、人々の集中力が持続しにくい現代において、バイラルヒットを狙いながらも深みのある音楽を作れることを彼は証明しています。Kompleteのようなツールは、素早いワークフローと効果的な自己表現を可能にし、人々の心に真に響くものへと集中し続ける力を後押ししています。