|Dean Salant

音楽におけるハーモニーの基本:初心者向けガイド

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Understanding harmony in music

曲について考えるとき、私たちはまずメロディーに意識が向きがちです。メロディー、いわゆる「トップライン」は口ずさんだり歌ったりする音楽の要素であり、記憶に長く残りやすい部分です。しかし、メロディーが単体で成立することは稀です。メロディーの豊かさや心惹かれるダイナミクスは、その周囲を取り囲むハーモニーやコードに大きく支えられています。

音楽におけるハーモニーの定義を理解すれば、メロディーに命を吹き込めるようになります。ハーモニーを巧みに活用することで、メロディーに緊張と解決、複雑さ、そして深みを与えることができます。

自身の楽曲でメロディーとハーモニーのどちらに重点を置くべきか迷うこともあるかもしれません。しかし、実際にはメロディー対ハーモニーという二者択一の話ではなく、両者は連携して機能します。メロディーが楽曲の「主役」であるとしても、メロディーに魅力的な存在感を与える土台となるのは、ハーモニーやコードなのです。

目次

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音楽におけるハーモニーとは?

音楽におけるハーモニーとは、2つ以上の音が同時に鳴る響きのことです。これらの音は同時に演奏され、上下に「重ねられる」ため、ハーモニーは音楽の「垂直方向」の要素と呼ばれることもあります。

ハーモニーは楽曲に豊かさとテクスチャーを与え、楽曲の感情表現や表現力を形づくる上で極めて重要な役割を果たします。

まずはCメジャースケールの上に音を重ねる基本的なハーモナイズの例を見てみましょう。

Cメジャースケール
Cメジャースケール

Cメジャースケールの上にさらに音を重ねて演奏すると(ここではEの音から始まり、同じメジャースケールに沿って上昇します)、次のようになります。

上の3度でハーモナイズしたCメジャースケール
上の3度でハーモナイズしたCメジャースケール

一方で、同じスケールに対して下のAの音からハーモナイズを重ねると、次のようになります。

下の3度でハーモナイズしたCメジャースケール
下の3度でハーモナイズしたCメジャースケール

このように、ハーモニーによって同じメロディーラインでも受ける印象が大きく変化します。

つまるところ、ハーモニーは落ち着いて解決できる「調性の中心(トナルセンター)」や「ホーム」となるキーを創出する役割を持っています。これによって、緊張(テンション)を生み出し、それを解放(リリース)することができるのです。

Jacob Collierはこの動画の中で、ホームとなるキーの概念を非常に分かりやすく解説しています。

なお、本記事で取り上げる理論は西洋音楽の慣例に基づいている点にご留意ください。ハーモニーへのアプローチには、音階システム、コード、楽器のチューニングなど、他にも多くの手法が存在します。ポピュラー音楽では一般的に西洋音楽のハーモニーが用いられているため、ここではそれに焦点を当てています。

ハーモニーを構成する主な要素

音楽におけるハーモニーの概要を把握したところで、コード、コード進行、調号、転調という不可欠なハーモニーの基本概念を紐解いていきましょう。

コード

「音楽におけるハーモニーとは何か?」という問いに答える上で、ハーモニーにおけるコードの根本的な重要性を理解することは欠かせません。

コードはまさにハーモニーの土台であり、メロディーが喚起する力はコードの上に築かれます。コードはメロディーの文脈と背景を提供し、旋律を展開させて音楽の旅へと導いてくれます。音楽が動きの感覚を獲得できるのは、コードとハーモニーのおかげです。

コードは通常、同時に演奏または歌われる3つ以上の音で構成されます。異なるコードの組み合わせを構築することで、まったく異なる響きを生み出すことができます。

コードを簡単に構成する方法は、スケールから1音おきに音を選び出し、それをコードトーンとして使用することです。もう一度Cメジャースケールを見てみましょう。

このスケールから音を1つ選び、1つ飛ばすという形で1音おきに3つの音を抜き出すことで、コードを作ることができます。

同時に鳴らすことでCメジャーコードを構成する、1音おきの3つの音(C、E、G)を聴いてみましょう。これらは「コードトーン」と呼ばれます。

協和音と不協和音

協和音(コンソナンス)は、安定した心地よい響きを生み出す音の組み合わせです。解決感や落ち着きをもたらします。協和音はメジャーの場合もあれば、

マイナーの場合もあります。

一方、不協和音(ディソナンス)は、緊張感や不安定さ、さらには耳障りな響きを生み出すことがあります。

ここで理解しておきたいのは、不協和音は単体では「不快」に聴こえるかもしれませんが、音楽において最も重要なのはコンテクスト(文脈)だということです。以下の例のように、不協和音が作り出す緊張は、その後に続く協和音によって心地よく解決されます。

トニックコード

トニックコードは、楽曲のキーにおける「ホーム」となるコードです。キーの中で最も安定したコードであり、フレーズの冒頭や結びによく用いられます。常にスケールの第1音(主音)から作られます。したがってCメジャーの場合、トニックコードはCメジャーであり、C-E-Gで構成されます。ピアノロール内でハイライトされている音をご覧ください。これらがコードトーンです。

Cメジャースケールから導き出されたCメジャーコード
Cメジャースケールから導き出されたCメジャーコード

ドミナントコード

ドミナントコードは、トニックへの解決の手前で強い期待感を高めるコードです。あるキーにおけるドミナントコードは、スケールの第5音上に位置します。そのためCメジャーにおけるドミナントコードはGメジャー(ドミナント)となります。コードトーンはG-B-Dです。

Cメジャースケールから導き出されたGメジャーコード(ドミナント)
Cメジャースケールから導き出されたGメジャーコード(ドミナント)

プレドミナントコード

これらのコードはドミナントコードへの準備として機能するため、コード進行においては通常ドミナントの直前に現れます。スケールの第2音や第4音など、いくつかのプレドミナントコードが存在します。Cメジャーの場合、それらはDマイナーとFメジャーです。DマイナーコードはD-F-Aで構成されます。

Cメジャースケールから導き出されたDマイナーコード
Cメジャースケールから導き出されたDマイナーコード

FメジャーコードはF-A-Cで構成されます。

Cメジャースケールから導き出されたFメジャーコード
Cメジャースケールから導き出されたFメジャーコード

コード進行

西洋音楽では、特定のハーモニーの動きを表現するためにコードが連続して繋ぎ合わされます。こうしたコードの連なりをコード進行と呼び、楽曲に構造と方向性を与えます。

特定のコード進行はポップミュージックにおいて定番となっており、数え切れないほどの楽曲で繰り返し使われてきました。一例として、I-III-IV-ivのコード進行(Cの場合、Cメジャー – Eメジャー – Fメジャー – Fマイナー)を見てみましょう。

(コード進行はどのキーでも演奏できることを覚えておきましょう。どの音・コードから始めるかによる違いだけです)。

では実際のところ、よく知られている楽曲においてハーモニーはどのように使われているのでしょうか?実はこの特定のコード進行は、Olivia Rodrigoの「Vampire」をはじめとする数多くのヒット曲で使用されています。

Radioheadの「Creep」:

Lana Del Rayの「Get Free」:

その他にも無数の楽曲があります。

コード進行は誰のものでもありません。偉大な先人たちからインスピレーションを得て、あなた自身の曲作りに取り入れてみましょう。

調号(キー)

音楽における調号は楽曲の調性中心(キー)を示し、曲全体を通じてどの音を半音上げたり下げたりするかを指定します。演奏者にとっての道標のような役割を果たし、どの音をナチュラル、シャープ、フラットとして演奏すべきかを導きます。

例えば、Eマイナーキーには以下の音が含まれます。

E-F#-G-A-B-C-D-(E)

Eマイナースケール
Eマイナースケール

これが調号となるため、楽曲のメロディーとコードの選択肢はこの特定の音のセットから導き出されることになります。

転調(モジュレーション)

楽曲の調号は決して固定されたものではありません。多くの音楽作品において、「転調」すなわちキーの変化を耳にします。これにより、音楽の感情表現に力強い変化をもたらすことができます。

ポップミュージックにおける転調の最も有名な例として、Whitney Houstonの「I Will Always Love You」を聴いてみましょう。

楽曲の大部分はAメジャーのキーで構成されています。1:46でこのキーのコーラスを聴くことができます。有名な転調が起こる3:09では、楽曲が一気にBメジャーへとシフトし、圧倒的な高揚感をもたらします。

音楽におけるハーモニーの種類

音楽には多くの種類のハーモニーが存在します。西洋音楽理論において代表的な3つのハーモニーは以下のとおりです:

  • ダイアトニック・ハーモニー – 調号に含まれる構成音を使ってメロディーやコードを構築します。
  • ノンダイアトニック・ハーモニー – 調号に含まれる構成音だけでなく、調号以外の音も活用します。
  • アトーナル・ハーモニー – 伝統的な調性の中心をまったく持ちません。

以下でそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

ダイアトニック・ハーモニー

ダイアトニック・ハーモニーは、楽曲のハーモニーが調号によって決定されるキーの中心にフォーカスしている場合に成立します。つまり、ダイアトニック・ハーモニーにおけるコードやメロディーはすべて調号に由来しています。この形式のハーモニーは、ポピュラー音楽において極めて一般的に使われています。

ノンダイアトニック・ハーモニー

このタイプのハーモニーでは、ダイアトニックスケールから外れたコードやメロディーが使用されます。これはジャズやクラシック音楽、そして多くの現代音楽のジャンルで見られます。作曲家はノンダイアトニック・ハーモニーを用いて、異なる調性からコードを「借用」し、楽曲にハーモニーの色彩を加えます。

John Coltraneはこのトラックでノンダイアトニック・ハーモニーを取り入れ、興味深く予期せぬトーンの色彩を添えています。

アトーナル・ハーモニー

アトーナル・ハーモニー(無調和声)は、調性の中心や主音となるキーの確立を完全に避ける作曲アプローチです。このコンセプトを取り入れるミュージシャンは通常、伝統的な和声関係から逸脱した音楽の可能性を探求しようとします。その代わりに、音楽的な物語を生み出すための別の手法を模索するのです。

例えばJonny Greenwoodの「Future Markets」では、調性の中心やコードの解決点を聞き取ることはできません。この楽曲は無調で作曲されています。

ハーモニーを活用した楽曲制作

「音楽におけるハーモニーとは何か?」という疑問に対する答えが分かったところで、これらのアイデアをご自身のトラックに取り入れてみましょう。

理論は理解できたものの、コードやハーモニーのアイデアを広げるきっかけが欲しいという方は、単音の入力でコードを生成できるPlayboxをチェックしてみましょう。

Playboxのハーモニー機能と、和声知識の力を実感していただくために、どこか物足りないメロディーが特別なサウンドへと生まれ変わる様子を見てみましょう。

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次に、PlayboxのCurious Sunプリセットから直接いくつかのコードを加えてみます。少しの微調整とドラムやベースの追加によって、以下のようなサウンドに仕上がります。

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