メロディック・テクノには動きが欠かせません。ドラムが平板に感じられてはなりませんが、メロディの中心から注意をそらしすぎてもいけません。この絶妙なバランスこそ、Florian Kruseが自身の制作ワークフロー、特にBattery 4の内部で精密にコントロールしている部分です。
Dilee Dとのコラボレーションによる新作EP『Clockwork Mind / Mother Nature』がSasha主宰のレーベル「Last Night on Earth」からリリースされ、冒頭の数小節からグルーヴへのこだわりがはっきりと伝わってきます。パンチがありながらも適切に制御されたドラムは、長いビルドアップや広がりのあるメロディのフレーズのためのスペースを残しています。そのミックスの背景には、厳選されたキット、トラック要素の早期パラアウト、そしてヒューマナイズとスイングの緻密な活用に基づいた、タイトなドラムプログラミングのプロセスが存在します。
本インタビューでは、FlorianがBattery 4内でのドラムのプログラミング手法、作業スピードを高めるライブラリ整理術、そしてミックスを複雑にすることなくエネルギーを保つ秘訣を語ってくれました。さらに、Florianが自身のシグネチャーサウンドを作るために使用している限定Batteryキットもプレゼントします。
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- Batteryでのキット構築:プリセットとカスタムサンプルの比較
- キック、クラップ、ハットの早期分離がミックスに役立つ理由
- Batteryのスイングとヒューマナイズ機能によるグルーヴの演出
- 厳選ドラムバンクによるクリエイティブな意思決定の効率化
- メロディック・テクノで陥りがちなドラムミックスのミスとその回避法
- Battery 4セッションでFlorianが多用するドラムチェーンの構成要素
楽曲の邪魔をすることなく、的確に響くドラムを作る手法を知り尽くしたプロデューサーによる実践的なアドバイスと、そのすべてをBattery 4で実現する方法をぜひご覧ください。
Batteryでのキット構築はゼロから行いますか?それともプリセットを読み込んで必要に応じて要素を差し替えますか?
場合によりますね。現在のワークフローでは、主に2つのパターンがあります。
1つは、お気に入りのサンプルをBatteryに読み込んで、自分専用のキットを作ることです。長年の音楽制作を通じて膨大なサンプルパックのコレクションを築き上げてきましたし、自分自身でも3つのサンプルパックを制作しました。特にキックドラム、ハット、クラップなど、今でも好んで使っているドラムサウンドが多数収録されています。

もう1つは、ライブラリ内のキットを順番に試聴してみて、これまで使ったことのないサウンドからインスピレーションを得ることです。私はExpansionsのキットのファンで、時々新しいサウンドを購入していますが、常に新鮮な刺激が得られます。
キック、クラップ、ハットは早い段階で個別のチャンネルにパラアウトしますか?それとも個別に分ける前にBattery内部でミックスしますか?
はい、キック、クラップ、ハットは個別に分けています。アレンジとミックスのプロセスにおいて不可欠だからです。
プロジェクトが煩雑になるのを避けるためにも、この作業は早い段階で行うようにしています。
そうすることで制作作業に集中できます。ドラム要素のサウンドとパターンに納得がいったら、早い段階でオーディオファイルとしてバウンスや書き出しを行うことさえあります。
メロディック・テクノの生命線はグルーヴです。単調さを防ぐために、Batteryのベロシティ、スイング、ヒューマナイズ機能をどのように活用していますか?
これらの機能は非常によく使います。最近手がけていた新曲にぴったりの例があります。MIDIキーボードでクラーベのサウンドを演奏したのですが、クオンタイズをかけた後にあまりにも無機質に聴こえてしまいました。そこでヒューマナイズ機能とBatteryのスイング機能を使ったところ、生演奏のようなフィーリングが戻ってきました。一方で、キックドラムのような要素には人間味のある揺らぎは求めていません。

「4つ打ち」のキックはクオンタイズされている必要がありますし、各キックのベロシティも完全に均一であるべきです。
キックドラムにはこの機能を使いませんが、パーカッション要素には不可欠です。昨今では、すべてのMIDIノートをクオンタイズすることに慣れすぎてしまっています。それにより、ドラムが無機質でロボット的になり、グルーヴ感が損なわれてしまうのです。「Humanize」を使用するとサンプルのベロシティとタイミングにランダムな変化が加わり、その適用率も自由にコントロールできます。

Battery内に厳選したサンプルバンクを用意していますか?それとも毎回膨大な外部サウンドのフォルダから構築していますか?
Battery内に厳選したサンプルバンクを保存しており、それをブラウズすること自体がインスピレーションになります。普段の制作にぴったりなサウンドがすぐに見つかります。前述の通り、自分独自のキットを作成するのも好んで行っています。すべてのサウンドを熟知しているため、大幅な時間短縮になり、締め切りの厳しいプロジェクトでは大きな違いを生み出します。

フォルダを作成し、お気に入りのキックドラムを追加してみましょう。
過去のセッションを活用して、効果的だったキックドラムを書き出しておくのも手です。クラップ、ハット、スネアでも同様にしておけば、新しいセッションを始めるときにしっかりと準備が整い、自分ならではのシグネチャードラムサウンドをいつでもすぐに使える状態にしておけます。
メロディック・テクノのドラムミックスでプロデューサーが陥りがちな間違いと、その改善策を教えてください。
If I have to point out mixing problems when listening to メロディック・テクノのトラックを聴いていてミックスの問題点を挙げるとすれば、大半は過度にコンプレッションされたキックドラムやクラップ、そして主張が強すぎるハイハットです。
これら3つのドラム要素がトラックの主役になりすぎてしまうのは好ましくありません。もちろん、クラブで通用するパワフルなミックスは必要ですが、リスナーが踊り、翌日になっても記憶に残るのはフック(印象的なフレーズ)であることを忘れてはなりません。

前の晩に聴いたかっこいいキックやクラップを翌朝まで覚えている人は、おそらくほとんどいないでしょう。
Florian Kruseからのプロのアドバイス:制作プロセスが進み、トランジションの作成に取りかかる段階では、Battery 4のReverseボタンが役立ちます。私はアレンジにおけるトランジションの細部にこだわるのが好きで、以前は適切なリバースサウンドをサンプルライブラリから頻繁に探していました。しかしReverseボタンを使えば、オリジナルのリバースシンバルやエフェクトサウンドを自在に作り出せるため、私にとって素晴らしい解決策となっています。
メロディック・テクノ向けにBatteryで定番のドラムチェーンを1つ構築するとしたら、絶対に欠かせない要素は何ですか?
良い質問ですね!
キックドラム、クラップ、スネア、クローズドハットとオープンハット、ライド、タム、短いホワイトノイズ、シェイカー、タンバリン、風変わりなパーカッションエフェクト少々、そして現代的なシンバル系クラッシュエフェクトサウンド(リバースと元の音)が必要です。

ハウスやテクノの黎明期から受け継がれるクラシックなドラムサウンドは、今でも最高です。例えば、909のクラップやハット、定番の16分音符スネアロールを作るためのスネアなどをよく使っています。808のキックドラムも優れており、これらのクラシックなサウンドはすべてBattery 4に収録されています。
より豊かなサウンドに仕上げるにはチャンネルストリップでの微調整が必要になる場合もありますが、それらが手元に揃っているのは心強いことです。
まとめ
Battery 4を活用した自身のワークフローを解説してくれたFlorianに深く感謝します。特に印象的だったのは、過度に複雑化することなくプロセスが徹底的に磨き上げられている点でした。主要な要素の早期セパレーション、独自のサンプルバンクの厳選、要所でのヒューマナイズの活用など、真に効果的な手法を長年かけて洗練させてきたことがよく分かり、今やそれらが身体に染み付いているのが伝わってきます。
そのすべては『Clockwork Mind / Mother Nature』で実際に聴くことができます。ドラムには確かなアタック感がありながらも、他のパートの邪魔をしません。グルーヴは躍動感に満ち、不自然さを一切感じさせません。これは、自身のツールを信頼し、ワークフローを停滞させないからこそ到達できるバランスです。
メロディック・テクノを制作するすべての人にとって、タイトなドラムとはミックスに過剰な要素を詰め込むことではなく、早い段階で的確な決断を下し、細かな調整を積み重ねることによって生まれるのだということを再認識させてくれます。