Infinite Samplesは、予測不能で生命力に満ち、極めて映画的な響きを持つインストゥルメントの制作で確固たる評価を築いてきました。PangeaとThe Abyssでは、アナログシンセと単一サンプルエンジンを新たなフロンティアへと押し広げ、不安定さや動きを活かした楽曲制作を可能にするツールを作曲家へ提供しています。彼らのサウンドはすでにDune: Part Twoをはじめとする大作映画の予告編でも採用されていますが、真に見逃せないのは、これらのインストゥルメントがいかにして「不完全さ」を独自のアイデンティティへと昇華させているかという点です。
今回のインタビューでは、Infinite Samplesチームに、Pangeaの核となるディストピア的かつ映画的なサウンドデザインや、The Abyssが従来のサンプリングの常識を覆す理由、そしてモーション主導のエフェクトエンジンがいかに映画的なカオスを生み出すかについて語っていただきました。さらに、没入型インストゥルメントから倫理的AIに至るInfinite Samplesの将来の展望や、「神秘性」がなぜ彼らのクリエイティブ精神の中心にあるのかについても明かしてくれました。
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- Pangeaが生のアナログシンセからディストピア的・映画的なサウンドデザインを生み出した手法
- The Abyssが単一のサンプルを独自のインストゥルメントへと変貌させる理由
- PangeaがDune: Part Twoの予告編に採用された経緯
- モーションエンジンとマルチFXエンジンが解き放つ映画的テクスチャーの可能性
- Infinite Samplesが目指す次の展開
Pangeaのサウンドの特徴は「ディストピア的かつ映画的なサウンドデザイン」と表現されています。このサウンドの背景にあるクリエイティブな制作プロセスについて教えていただけますか? 主にどのような影響を受け、どのようにして生々しく本能的なアナログシンセから独特の雰囲気を引き出したのでしょうか?
Pangeaは、経験豊富な作曲家とこれからのクリエイターの双方を刺激する要素を織り交ぜながら、映画音楽においてシンセサイザーができることの限界を押し広げるプロジェクトとして始まりました。
伝説的なアナログシンセに複雑なプロセッシングを施し、あるものは崩壊寸前の領域まで追い込み、またあるものは幽玄で別世界のような美しさを生み出す――その探求からこのインストゥルメントは進化を遂げました。
影響を受けたのは、VangelisによるBlade Runnerの雰囲気から、Nine Inch Nailsの荒々しいテクスチャー、そして現代の映画予告編音楽の心揺さぶるサウンドスケープに至るまで多岐にわたります。目標はサウンドを綺麗に整えたり飼いならしたりすることではなく、その予測不能な危うさをありのままに保つことでした。そうした生々しいエッジを捉え、類まれなPangeaエンジンに通すことで、生命感を宿し、不安定で予測不可能、そして極めてシネマティックな音のパレットを作り上げました。

Pangeaのサウンドを特徴づける大きな要素が、オリジナルの音源レイヤリングです。デュアルエンジンにより、重厚に重ねられたシンセパッチと基本的な波形を組み合わせてザラつきやアグレッシブさを加えたり、サステイン音の下にパルス状のテクスチャーを忍ばせて、単一のパッチ内で繊細な動きを生み出すことができます。
Pangeaの音の世界は、Alien(1979年)、Arrival、Ex Machina、Blade Runner 2049の劇伴から、Bugonia、Weapons、28 Years Later、Tron: Ares、Savant、Alien: Earth、Saltburnといった近年の映画の予告編や劇伴に至るまで、様々な作品からインスピレーションを受けています。開発の過程で発見した刺激的な特徴の1つは、大切に受け継がれてきたシンセのオシレーターの組み合わせをPangeaが処理することで、ハードウェア単体では物理的に不可能だったサウンドを生み出せる点でした。
The Abyssは、単一のサンプルを演奏可能なインストゥルメントに変貌させる「Kontakt FX Sampler」として設計されています。これは従来のサンプルライブラリとは大きく異なるアプローチです。The Abyssを制作したきっかけは何でしたか? また、作曲家やサウンドデザイナーが、特にPangeaと併用しながら自身のワークフローでどのように活用することを想定していますか?
The Abyssはいわばワイルドカードであり、あらゆる単一サンプルを新しく個性的で映画的なサウンドへと変貌させる手段です。Pangeaエンジンを基盤にさらに発展させ、1つのサンプルから演奏可能なインストゥルメントを生み出せるようにしました。

オーガニックなテクスチャー、シンセのヒット音、実験的なノイズなど、あらゆるサウンドを取り込むことができ、The Abyssがそれらをストレッチし、不安定化させ、モーション連動のFXに通します。その結果、元の素材の枠をはるかに超え、思いもよらないインプットから壮大なサウンドスケープや独自のシグネチャーサウンドを生み出す表現力豊かなインストゥルメントが誕生します。
厳選されたテクスチャーを備えたPangeaと組み合わせることで、作曲家は即戦力となるパレットと、無限のサウンドスカルプティングの自由度の両方を手に入れることができます。
Dune: Part Twoの予告編でPangeaが使われているのを知って感激しました。このコラボレーションはどのような経緯で実現したのでしょうか? また、これほど象徴的で独特な空気感を持つ映画のサウンドに自分たちのインストゥルメントが貢献しているのを聴いたときは、どのようなお気持ちでしたか?
Dune: Part Twoの予告編でPangeaのサウンドを耳にした瞬間は、Infinite Samplesにとって素晴らしい体験でした。あの映画の世界観はすでに映画音響デザインの最高峰として確立されているため、自分たちのインストゥルメントがそこに貢献できたと知ったときは非常に光栄でした。
このコラボレーションは、私たちの友人でありアーティストでもあるEddie Thoneickを通じて実現しました。EddieはPangeaのダークで不安定なテクスチャー――まさに『Dune』にぴったりのサウンド――に惹かれていました。映像とともに重ね合わされたサウンドを聴いたとき、「映画音響を新たな領域へと押し広げる」というインストゥルメントに込めた目的が完全に結実したと実感できた、かけがえのない瞬間でした。
実際の使われ方を解説したブレイクダウン動画を作成しましたので、以下よりご覧いただけます。EddieがPangea内で作り出したサウンドは非常に荒削りで生々しく、『Dune』シリーズに通底する不完全さと美しさを見事に見出すものでした。
PangeaとThe Abyssはいずれも強力なモーションエンジンとマルチFXエンジンを搭載しています。これらは刻々と変化する映画的なテクスチャーを作る鍵となる機能です。これらのエンジンについてもう少し詳しく教えていただけますか? 作曲家にどのような音の可能性をもたらし、なぜこれほどのレベルのモジュレーションとコントロールをインストゥルメントに直接組み込むことがチームにとって重要だったのでしょうか?
モジュラーシンセへの愛と、その世界に存在する無限の可能性から生まれたモーションエンジンは、インストゥルメントにある種の「秩序あるカオス」をもたらすという目標に不可欠なものでした。
PangeaとThe Abyssを駆動するエンジンは、一つひとつのサウンドに命を吹き込むために存在しています。強力なモーションテクスチャーは、時間の経過とともにサウンドを分解し、進化させます。モーションとFXは、これらのインストゥルメントにおいて単なる追加機能ではありません。PangeaとThe Abyssのコアそのものに深く組み込まれているのです。
パッチは、脈打つリズム、溶け出すような空気感、あるいはカオスに満ちたディストピア的サウンドスケープへと変容します。パレットは繊細なアンビエンスから圧倒的な音の壁まで多岐にわたります。内部構造としてエンジンが極めて緻密に設計されているため、作曲家はクリエイティブな流れを止めることも、外部プラグインに頼ることもなく、こうした劇的な変化を瞬時に実現できます。
タイトな締め切りに追われているときでも、PangeaとThe Abyssの内部だけで映画クオリティの結果を得られるため、作曲家は本当に集中すべきこと――音楽によるストーリーテリングや、二度と捉えられない奇跡のような瞬間の維持――に専念できます。

今後の展望について、Infinite Samplesはどこへ向かうのでしょうか? 映画音響デザインの限界をどのように押し広げ続けていく予定ですか? また、次のインストゥルメントで探求したい新たな方向性はありますか?
私たちは、最高レベルの真の音楽制作に敬意を表し、没入型のプラットフォームを構築してきました。今回のPangeaのアップデートは、長年にわたる下準備の集大成であり、私たちが水面下で作り上げてきたものを世界に明かし始める第一歩でもあります。業界のトップクリエイターの多くが、口コミを通じてすでに私たちを信頼してくださっています。これこそが私たちのアプローチに対する最も本質的な評価であり、プロジェクトは日々拡大しています。
私たちはブランドとして「神秘性」を重んじています。ミュージシャンが音楽クリエイターではなく「コンテンツクリエイター」になることを求められ、あらゆる業界のブランドがチーム自身を表舞台に押し出す現代において、私たちは作品そのものに語らせるスタンスをとっています。私たちの環境は、メンバーの多くが育った80年代から90年代の映画に敬意を払い、言葉では説明しがたいノスタルジックな魔法を捉えています。それは私たちの予告編、ビジュアル、そしてサウンドの随所に息づいています。

Infinite Samplesとしては、オリジナルのPangeaやAbyssの予告編(そしてサイト上のすべてのパック名)で示された物語を、完全に具現化された世界へと拡張しています。これは9月22日のPangeaアップデートの予告編からスタートし、今後数か月にわたって新しいインタラクティブエリアが公開されるとともに展開していきます。
すべての要素が細部まで熟考されています。第一線で活躍する素晴らしいアーティスト、作曲家、プロデューサー、サウンドデザイナー、ミュージシャンたちと協力し、真にユニークなものを生み出そうとしています。現在、Infinite Samplesの世界の異なる地域を表現する3本の柱となるKontaktインストゥルメントを制作中であり、すべてのサンプルパックがこの音のアイデンティティとストーリーにシームレスに調和するようになっています。
また、アーティストのサウンドを保護するための最先端の透かし(ウォーターマーク)システムも開発しました。これにより、ダウンロードされたものであれストリーミング経由でキャプチャされたものであれ、共有されたサンプルをメールアドレスやIPアドレスを通じて個々のユーザーまで追跡することが可能になります。私たちの目標は、この技術を業界標準に押し上げ、アーティストに今までにないレベルの保護を提供し、彼らが生涯をかけて培ってきた技術とスキルに敬意を払うことです。
これと並行して、カスタム音楽制作スタジオであるDark Matterを立ち上げ、Colourbox Music(Civil War、28 Years Later)とのコラボレーションによる業界向け第1弾ボリュームを公開しました。さらに、私たちとのコラボレーションに関心を持つパートナーに向けて、独自のビジュアルクリエイティブの精神を提供するAnamorphicもスタートさせています。
私たちは音楽制作の未来、そしてもちろんAIについても深く熟慮しており、人間中心の立場から、ワークフローを刺激しアーティストに還元する倫理的なAIコラボレーションを現在模索しています。音楽を作る側にとっても楽しむ側にとっても、音楽とは地球上のあらゆる一人ひとりにとって個人的で、文化的で、本能的なものなのです。

おわりに
Infinite Samplesの世界は、アナログシンセが極限状態で軋みを上げ、単一の音が映画的な情景へと進化し、神秘性がイノベーションを駆動する世界です。PangeaとThe Abyssによって、彼らは作曲家たちに好奇心を刺激し、不完全さを賛美し、サウンドデザインに確かな生命を吹き込むツールを届けました。
貴重なお話を聞かせてくださったInfinite Samplesチームに感謝申し上げます。音楽制作の未来は、テクノロジーと同じくらいストーリーやアイデンティティにも深く根ざしていることを改めて実感させてくれました。